世界最古の冒険叙事詩、『オデュッセイア』。知恵の英雄の奇想天外な放浪の旅路は、なぜひとびとを惹きつけるのか?その奥深い魅力と謎、張り巡らされた仕掛けを読み解く、入門書の決定版。 [目次] はじめに──長い帰還の物語 ・第一章 オデュッセウスという英雄 盲目の吟遊詩人、ホメロス/ 武力ではなく知恵の英雄/ 語り継がれるトロイ戦争伝承/ゼウスの双子たち/ 争いを招く女神の贈り物/ ギリシア最大の英雄、アキレウスの死/戦争終結と長い凱旋の始まり/ 普遍的な家族の神話/ 妻ペネロペイアと息子テレマコス/ 対比されるさまざまな「家族」 ・第二章 受難の旅と復讐の物語 二四巻の物語/ 旅の始まりと甘美な島/ キュクロプスとの決闘と海神の呪い/ 風の島、人食い巨人の島/ 魔女キルケと冥界下り/ 異形と神による相次ぐ受難/ ニンフの島への漂着/ ついに故郷へ帰還/ イタケ島での父と子の再会/ 求婚者たちを一掃、妻との再会/ ホメロスの超絶技巧 ・第三章 二四書の複雑な語り 二四の書、四一日間の出来事/ 第一書/ 第二書/ 第三書/ 第四書/ 第五書/ 三者の時間の流れ/ 第六書/ 第七書/ 第八書/ 第九書/ 第一〇書/ 第一一書/ 第一二書/ 前半と後半の折り返し/ 第一三書/ 第一四書/ 第一五書/ 第一六書/ 第一七書/ 第一八書/ 第一九書/ 第二〇書/ 第二一書/ 第二二書/ 第二三書/ 第二四書 ・第四章 構成の巧みな仕掛け 構造の妙の四要素/ 1.円環と反復││折り返し構造/『イリアス』の折り返し構造/安定と変化の技法/ 2.時間と空間の同時多元進行/ 嘘による異次元効果/ 3.四書ごとのかたまり/ 4.各書内部での折り返し構造/ さまざまな物語手法の元祖 ・第五章 物語としての魅力 主題の魅力/ ネガとポジ──愛人と求婚者たち/ トロイ側の家族/ 帰還後の物語──家族崩壊の危機/『テレゴノス物語』/ 英雄叙事詩にとっての家族/ 危険な冒険の魅力/英雄と武器/ 嘘と変装と大逆転劇/ 歴史を越える物語 ・第六章 ギリシアとインドに共通する叙事 『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の関係/ 共通する話素/『オデュッセイア』と『ナラ王物語』/ 海と陸地に分かれた物語 ・第七章 世界各地への伝播 世界各地への伝播と影響/『アラビアン・ナイト(千一夜物語)』/ 「サイフ・アルムルークとバディーア・アルジャマールの物語」/ 日本への影響──『百合若大臣』/ 『御曹司島渡』/ 中央アジア英雄叙事詩への影響──『デデ・コルクトの書』/「アルパミシュ」/ どのように日本まで伝わったのか ・第八章 近代以降に見る系譜 近代以降の西洋文学への影響/ デフォー『ロビンソン・クルーソー』/「イムラヴァ」/スウィフト『ガリヴァー旅行記』/ ジョイス『ユリシーズ』/ 近代西洋における『オデュッセイア』の変容/ アーサー・C・クラーク原作+スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』/ ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ひまわり』/ 世界中にインスピレーションを与える ・補章 現代日本の『オデュッセイア』的物語 沖田瑞穂 1.『オデュッセイア』と『ダンまち』/ 『ダンまち』とは/『ダンまち』のヘスティアと神話のアテナ/ オデュッセウスとベルの「旅」と誘惑/ 終着と自己の確立/ 2.『オデュッセイア』と『十二国記』/ 陽子とオデュッセウスの旅/ 家族への想い/「王位」の回復と獲得/ 3.『無職転生──異世界行ったら本気だす』における家族離散と旅/ 新しい帰属の形を探して おわりに──世界文学としての『オデュッセイア』 あとがき 沖田瑞穂 参考文献
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台湾に生まれ育ち,戦後の沖縄でラジオ・テレビの放送に携わった川平朝清.その半生と家族の歴史,沖縄への思いを長男ジョン・カビラがインタビューした貴重な記録に本人談話を交えて大幅加筆.明治維新期から昭和へ,戦争を知る世代から戦後生まれの息子,孫へと語りつがれる沖縄の物語と川平家のファミリー・ヒストリー.
最愛の人と別れてから始まる人生がある 「悲しみこそ真の人生の始まりだ」。 月刊「文藝春秋」で反響を得た作家、著名人による最愛の人との別れの実録、ベストセレクション。 【目次】 Part1. 母との別れ 吉行和子「吉行あぐり107歳の看取り記」 Part2. 父との別れ 阿川佐和子「お父ちゃんのおかげ」 Part3. 妻との別れ 眉村卓「闘病の妻へ 一七七八の短い物語」 加賀乙彦「妻の死」 永田和宏「亡き妻・河野裕子と詠んだ相聞歌千百首」 Part4. 夫との別れ 曽野綾子「青い空から三浦朱門の声が聞こえる」 小池真理子 「『かたわれ』の死を書く」 Part5. 柳田邦男「愛する人を看取る4つの約束」 インタビュー 垣添忠生/秋山正子/樋野興夫
こんなに難しい「最期の居場所」 老後ひとりになって初めて気づく、あまりにも冷酷な現実 貯蓄があっても賃貸に入居できない? 持ち家でも安泰とは言えない? 8日以上発見されない「孤立死」は年間2万件超。老後ひとりの「最期の居場所」をみつけるのは、こんなにも難しい。一人でも孤立せず生活を続けるためには、どうすればよいのか。不動産業界や民間団体によるさまざまな取り組みを紹介するとともに、日本の市場化された住宅システムの問題点を徹底検証。ライフコースや家族のかたちが多様化し、孤独死予備軍が急増する今、単身高齢者の住まいを保障する社会の仕組みを考える。 === 【目次】 はじめに 「あの人、家でひとり、死んどったらしい」/なぜケアとしての住宅政策が必要なのか/「独り」ではない最期を迎えるためには 第一章 孤独死の現場から 「変な匂いがする」/すぐそこにある孤独死/増える「よくわからない死」/孤独死を嫌う不動産業界/家族の変化、「自助」の限界/セルフネグレクトという問題/ごみ屋敷問題が意味するものーー社会保障制度の死角/家族の代替機能をいかに担保するのか 第二章 どこで最期を迎えるかーー高齢者の住宅問題 持ち家神話の崩壊/乏しい日本の公的住宅政策/市場から排除される高齢者/民間賃貸住宅を活用した高齢者住宅施策/賃貸住宅に暮らす高齢者/不動産管理会社から見た孤独死の現状/孤独死が発生したらーー事後処理の流れ/住宅政策、量から質への方向転換/住宅確保要配慮者と空き家/住宅セーフティネット法でどう変わるか 第三章 単身化する日本ーー住宅難民予備軍の実態 変化するライフコースーー「住宅すごろく」の崩壊/女は三界に家なし?ーー女性の住まいをめぐって/見えにくい中高年単身者の貧困/非正規シングルが利用できる住宅政策がない/非正規労働者の居住貧困/氷河期世代の居住貧困のリアル/増加する貧困な離別母子世帯/母子世帯の居住貧困/中高年シングル女性の住生活実態/単身化する日本の住宅政策 第四章 不動産会社による居住支援ーー「隙間のケア」をどうするか 「隙間のケア」をどう保障するか/自ら集住の仕組みをつくる/空き家の増加と集住のカジュアル化/ターゲット層の拡大/高齢者のシェアハウスニーズ/六〇代以上シングル女性のためのシェアハウス/外国人と暮らすという選択/多世代で暮らすという選択/不動産会社の高齢者向け住宅サービス/不動産会社が入居者の生活サポートを行う事例/センサーではなく人間による支援とは/臨終までかかわり続ける/空き家の増加と不動産市場の変化 第五章 家で安心して最期を迎えるために必要なこと どの死が許されないのか/韓国の孤独死実態/公営葬儀という取り組み/孤立を支える支援/持ち家か賃貸住宅かーー高齢期を幸せに暮らすには/民生委員に相談してみる/低料金の見守りサービスを利用する/非血縁で暮らす仕組みの必要性/家で安心して最期を迎えるために必要なこと おわりに マジョリティ化する単身世帯/一住宅一家族モデルを問いなおす/「許されない死」を防ぐための住宅政策 参考文献 あとがき ===
2人に1人はがんに罹り、その75%が65歳以上の高齢者である。今では6割の人々が治癒するが、それでも患者は時として「身体と心の弱者」になってしまう。本書は、がん発生のメカニズムから健康管理、正しい診断と最善の治療、退院後の注意点まで、最新の医学を解説。さらに、高齢がん患者と家族の心をケアするために何ができるか、がんと向き合うための心構えをどう持つか、1万人以上の患者・家族の証言をもとに説く。 □■□目次□■□ はじめに 第1章 高齢がん患者の特徴 1 超高齢社会の訪れ 2 高齢者の定義 3 高齢がん患者の治療 4 高齢がん患者に対する配慮 5 高齢がん患者の心 6 高齢がん患者の療養生活 第2章 がんという病気 1 がんの本態 2 がんの特性ーー浸潤と転移 3 がんの分類 4 遺伝性がん 5 小児がんとAYA世代のがん、希少がん 第3章 健康管理とがん対策 1 がんとの闘い全経過 2 がんの予防ーーゲノムを守る 3 がん検診と特定健診 4 日常診療 第4章 がんと心 1 心を支える闘い 2 深刻な事態に直面したときの心の動き 3 がん治療を受ける患者の心 4 「がんの社会学」研究 5 苦痛・悩み・負担を聞き取る 6 生きる意味ーー「生き甲斐」と「生かされ甲斐」 7 現代の死生観 第5章 治療の準備 1 病院の選択 2 医療スタッフとのつきあい方 3 確定診断への道すじ 4 治療方針の決定 5 インフォームド・コンセント(説明と同意) 6 治療法の選択に迷ったとき 7 セカンドオピニオン(第二の意見) 8 患者支援団体・患者会 第6章 治療の実践 1 集学的治療と標準治療 2 がんの手術療法 3 がんの放射線療法 4 がんの薬物療法 5 がん薬物療法による副作用ーー臓器障害 6 がん薬物療法による副作用ーー全身症状 7 苦痛を和らげる治療・ケア 第7章 初期治療後の診療と暮らし 1 経過観察期への移行 2 自分の暮らしを取り戻す 第8章 進行・再発がんの治療 1 進行・再発がん 2 薬物療法 3 標準治療が困難な場合 4 症状緩和と終末期の治療・ケア 5 やるべきこと、やりたいこと、やれること 6 患者から学んだこと 第9章 がんと情報 1 患者・家族のための情報 2 民間療法・健康食品 第10章 がんと暮らし 1 暮らしを守る 2 家族・周囲との絆 3 経済的負担 4 仕事の悩み 5 行政による医療福祉サービス 第11章 家族の役割と心構え 1 身体と心の弱者 2 家族の心構え 3 最期の看取り おわりに 文献
〈お金が〉“足りない”よりも“ありすぎる”方が人は壊れる! 裕福で幸せそうに見える家族ほど、闇が深い。 お金があれば幸せになれるーーそう信じる人は多い。 だが、本当にそうだろうか。 加害者家族支援の第一人者である著者が見てきたのは、むしろ「お金によって壊れていく家族」だった。 家族間の支配、きょうだいの断絶、配偶者の性犯罪、子どもの引きこもり等々、「お金は魔物」という言葉は決して比喩ではない。 社会的地位も財産もあるのに、なぜ人は不幸になるのか? お金が人を駄目にし、家族の歯車を狂わせる瞬間を描きながら「幸福とは何か」を根底から問い直す衝撃の一冊。
Z世代は恋人より母親といたい? 博報堂のシンクタンクが30年前と同じ設計で実施した「若者調査」をもとに、今20歳前後のコアZ世代とその親世代を比較分析。見えてきたのは、親世代とは大きく異なるZ世代の人間関係、家族の密接すぎる関係性だった。定量データに加えチャットの親子会話を多数収集し、進化した親たち=「メンターペアレンツ」の実態に迫る。金間大介氏や星友啓氏のインタビューも収録。
付け焼き刃のバラマキ政策に流されない! 生活の攻め【資産形成】と守り【年金理解】を確立せよ 社会保障、税、手取りの仕組みがわかれば、豊かな生活は手に入る 賃金停滞と米などの物価高騰の二重苦に晒される私たちの生活。財源なき減税論が政争の具とされ、国民も「今さえよければ」という一種の思考停止状態に陥っている。 日本経済はなぜツケを後回しにし続ける袋小路から抜け出せないのか? 年金や税、賃金の制度を変えることは簡単ではない。しかし、その仕組みを正しく理解することで、減税に頼らず手取りを増やす糸口は見出せる。その時は今しかない。 データに基づいた分析に加え、著者自身の経験則から導いた資産形成方法も明らかにした、国が、個人が生き残るための緊急提言。
不登校問題の解決バイブルの決定版! 本来なら学校に行っているはずのわが子が毎日家にいる。その姿を見る親や家族は、これほどつらく悲しく、無念なことはないと言う。学校も、そこにいるはずの子どもがいない、寂しく残念なことだと嘆く。子どもの数は減りながら、不登校は全国あまねく、男女の別なく、親の職業にも関係なく、発生比率を高めて増え続けている。現在、地域で差はあるが、小学生は25人に1人、中学生は10人に1人が不登校のようだ。 かなり長い年月、いくつかの心理職の資格を得て、市井の片隅で、新生児から大学生までの子どもたち、親や家族、そして教師などの教育相談(カウンセリング)に携わってきた。子どもたちが抱えるあらゆる問題に関わってきたが、昨今、特に多いのは不登校問題の相談依頼である。 不登校問題に関する教育相談のねらいは再登校と再就学の実現である。それは、この問題の本質と個々の事例の問題の所在を正しく理解し、手だてを工夫し、手順に従い、知恵と感性をはたらかせれば、再登校と再就学はほぼ実現する。この書では、心理療法を学び、また数多くの臨床事例から習得した不登校問題の解決のための考え方や具体的な方策を明らかにする。 また、これまでの教育相談で、子どもたち、親や家族、教師等からたくさんのことを学んだ。それらを基に、不登校を生まない子育てや学校教育のあり方、社会一般の人たちへの関与の願いなどの提言を行う。行政当局への要望等も付した。
ある日突然、日常が崩壊する! 一家離散、ネット私刑、そして自死ーー 社会から排除される「加害者家族」の“生き地獄”と再生に迫る。 痴漢、盗撮、レイプ、子どもへの性加害…… 連日報道される性暴力事件の卑劣な加害者たち。 彼らにも「家族」がいる。 あらゆる犯罪の中でもとくに白眼視されがちな 「性犯罪の加害者家族」の悲惨な“生き地獄”とは? 家族が償うべき「罪」はあるのか? 3000人以上の性加害者、1000人以上の加害者家族に向き合ってきた専門家がその実態に迫る。 あなたも決して他人事ではない! 第1章 ある日突然、家族が性犯罪で逮捕された ・「加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです」 ・ケース1:痴漢を繰り返した元高校球児 ・ケース2:妊娠中に夫が盗撮で逮捕、それでも別れない妻 ・ケース3:「優等生」の息子が女子生徒の着替えを盗撮 ・ケース4:小6の娘が妊娠、相手は中2の兄 ……ほか 第2章 加害者家族の「生き地獄」 ・刑事手続で家族がすべきこと ・裁判での経験がトラウマに ・母親に責任を押しつける「子育て自己責任論」 ・夫の痴漢はセックスレスが原因? ・加害者家族が怯える「世間」とは何か ……ほか 第3章 なぜ加害者家族を支援するのか ・両親は夜逃げ、弟はうつ、姉は自死……加害者家族の末路 ・加害者家族1000人へのアンケート ・複数回の逮捕でようやく治療につながる ・一番の悩みは「誰にも話せないこと」 ・家族会でも排除されやすい「子どもへの性加害」 ……ほか 第4章 それでも日常は続く ・「このまま刑務所にいてほしい」家族の本音 ・知らない番号からの着信に怯える日々 ・家族に加害者更生の責任はあるのか ・「親が犯罪者」のレッテルは大人になっても続く ・子どもに事件をどう説明するか ……ほか 第5章 加害者家族との対話 ・音信不通の息子は留置場にいた ・「育て方が悪かった」と裁判で責められる ・2度目の逮捕で実刑判決 ・息子に伝えた自身の性被害経験 ・わが子の婚約に抱く複雑な思い ……ほか 第6章 その「いいね」が新たな被害者を生む ・報道されるかどうかは運しだい ・文春砲の功罪 ・「SNS私刑」に振り回される加害者家族 ・「日本版DBS」で子どもへの性加害を防げるか ・加害者家族を知る映画 ……ほか
プシュ。小気味いい音を鳴らして、冷えた液体を喉に流し込む。安くて手軽。気づくと、もう数本空けている。わかっちゃいるけどやめられない。じきに、酒量が増えたことに気づく。酔い方もひどい。そういえば最近、お酒のことばかり考えているようなーー。こうなってしまったら危ない。自分の意思では止められないアルコール依存症。その底なし沼から生還を果たすには、何が必要なのか。五者五様の人生譚と専門家の解説で紐解く。
親が高齢になり介護が必要になると、仕事との両立やお金の問題などさまざまな悩みが出てきます。しかし、もっとも大きな悩みは「家族」ではないでしょうか。親を思って介護サービス利用を勧めた結果けんかになったり、自分で介護しようとして抱え込んでしまったり……介護をきっかけに、それまではうまくいっていた家族仲が険悪になることも少なくありません。本書では、介護職を経て、これまでに3000件以上の介護相談に乗ってきた著者が、親も子どもも幸せになる家族介護のヒントを紹介します。
今は国保と無関係な会社員も、会社組織を離れれば選択肢に挙がる。退職後2年間は今加入している健康保険の被保険者になれるが、その後は再就職をするか、家族の扶養にならない限り、国保加入なのだ。何といっても70歳から74歳では、総人口に占める国保加入者の割合が75%。だから誰でも一生に一度はお世話になる可能性が高い。 その国保料は近年上昇している。大まかに単身世帯で所得300万円なら年間約40万円、所得400万円なら約50万円の保険料である。さらに会社員が加入する「組合健保」や「協会けんぽ」は配偶者や子どもなどの扶養家族がいても保険料は一人前。つまり家族分は負担ゼロであるが、国保には扶養の概念がない。そのため配偶者や子どもがいると、少なくとも年間数万円、多いと単身世帯より数十万円の負担増。一人でも高いのに、家族がいればますます高くなるこの国保料に、多くの人は加入する際、びっくり仰天するのだ。 本書は「年金生活や無職の人」と「フリーランス、自営業者」に分け、国保料を下げるポイントを紹介する。加えて滞納に悩んだり、違法な差し押さえに遭ったり、経済的に困窮して医療が受けられない状態に陥った時に「打てる策」もお伝えする。 オマケとして、支払った国保料によって所得税や住民税を安くする控除や、特別に利益が多くなった年に減税できる方法も。 弁護士とファイナンシャルプランナーによって監修を行い、日々の暮らしの助けとなる一冊。
バブル崩壊後、未曾有の就職難が社会問題となった。本書は1993〜2004年に高校、大学などを卒業した人々を「就職氷河期世代」と定義し、雇用形態や所得などをデータから明らかにする。不況がこの世代の人生に与えた衝撃は大きい。結婚・出産など家族形成への影響や、男女差、世代内の格差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検討し、セーフティネットの拡充を提言する。統計から見えるこの世代の実態とは。 ■目 次■ まえがき 序 章 就職氷河期世代とは 「就職氷河期世代」とは/マクロ指標で見る就職氷河期/前期世代と後期世代の違い/ポスト氷河期世代・リーマン震災世代/就職氷河期世代観の変遷/指摘されてきた問題点 第1章 労働市場における立ち位置 初職ーー正規雇用か、非正規雇用か/就職先の規模・業種・離職率/就業状態の推移ーー世代間の差は徐々に縮まる/年収の推移ーー世代間の差は縮まらない/就職活動時の景気は影響するか/若年期の不況の瑕疵効果/就職氷河期を境に瑕疵効果は弱まった/第1章まとめ 第2章 氷河期世代の家族形成 未婚化・少子化の原因は若年雇用の悪化か?/1人の女性が産む子供の数は下げ止まっていた/既婚率と子供の数の複雑な関係/初職による格差/世代内格差を世代間に拡張する誤謬/景気と出生率の短期的な関係/若年期の景気の長期的影響はさらに複雑/少子化・高齢化対策の方向を見誤る危険性/第2章まとめ 第3章 女性の働き方はどう変わったか 就職氷河期のインパクトの男女差/就業率・正規雇用比率の世代差は数年で解消/フルタイム雇用者の男女間年収格差/就業率・正規雇用比率の男女間格差/晩婚化・晩産化の影響/出産退職の減少と就職氷河期世代/第3章まとめ 第4章 世代内格差や無業者は増加したのか 男性の年収分布の推移/男性フルタイム雇用者の年収格差/生活困窮者やその予備軍は増えたのか/ニート/生活不安定者/ひきこもり、孤立無業者/下側に広がる格差と将来への懸念/第4章まとめ 第5章 地域による影響の違いと地域間移動 対照的な近畿と東海/若年男性の就業・年収の地域間格差の変化/地域間移動の動向/大学進学に伴う地域間移動の傾向/高校卒業後の他都道府県での就職動向/第5章まとめ 終 章 セーフティネット拡充と雇用政策の必要性 親世代の高齢化による生活の困窮/低年金・低貯蓄からくる老後の困窮/既存の枠にとらわれないセーフティネットの拡充/介護サービスのさらなる拡大/雇用政策・就労支援で若年のうちに挽回を/データに基づく冷静な議論を 補 論 あとがき 参考文献
実の親と暮らせない子どもたちはこの国で3万人を超える。彼らの成長を家庭内で支えていくのが、里親や特別養子縁組だ。前者は一時的に育てる公的養育で、後者は生涯にわたり親子関係が持続する。 それぞれの家庭で、親と子はどう暮らし、どんな思いを抱いているのか。血縁なく中途から養育する制度の意義や課題は何か。 子どもの支援のあり方に長年取り組む著者が、当事者へのインタビューなど多くの事例をもとに解説する。 ■本書の目次 まえがき 第1章 暮らしに困難を抱える子どもたち 子どもたちの困難/子どもの思い/親子の支援の充実と社会的養護/里親制度の活用/親との関係形成 第2章 親と別れて暮らす子どもたち 「大人の事情」の内容/子どもたちの育ちづらさ・育てにくさ/成育環境と子どもへの影響/家庭養育の要件/里親・特別養子縁組制度の概要 第3章 里親・養親になる 子どもの受託方法/養親・里親となるには/里親登録後子どもを受託する流れ/里親の種類と想定される家族像/民間機関を通しての受託/不妊治療を経ての受託/子どもを受託した里親/未委託里親の存在とそれへの対応 第4章 里親・養子縁組家庭での暮らし 親元を離れて暮らす子どもたち/里親家庭での安心感/里親の寛容な支え/里親家庭での養育の中断/自身の選択と里親家庭への適応/家庭養育のリスク/里親家庭への固執/生き続けるための思考/里親家庭での過酷な体験/里親夫婦への気遣い/特別養子縁組家庭での体験/養子として育てる意義とその理解/家庭で大切にされた体験/家庭での生い立ちに関する対話/家庭でのさまざまな人生 第5章 「中途養育」の喜びと困難 現代社会における養育の困難/新たな家庭での養育の始まり/実子がいて里親となる場合/「中途養育」への理解/試し行動とそれへの対応/里親養育と養育不調/養育の難しさと里親委託解除/生みの親と里親との間で/生みの親の存在への配慮/過去の関係の維持 第6章 過去とつながる 子どもの出自を知る権利/過去とつながる意義と真実告知/真実告知の内容/養子としての思い/真実告知後の疑問/告知されなかった思い/手記を振り返って/出自を告知されたその先/当事者を支える仕組みの必要性 終 章 里親・特別養子縁組のこれから 子どもの意見表明権の保障/子どもの永続的な暮らしの保障/委託に向けた体制の充実/里親と支援者との信頼関係形成/養育観と養育の社会化/複数の養育者体制の必要性/海外における複数養育体制例/社会的親の創造/これからの取り組み/出自を知る権利保障体制の整備 あとがき
急速に進む少子化にもかかわらず、日本の受験戦争は過熱している。また苛烈を極める中学受験を避けるため、主に都心部で小学校受験を検討する親も増えている。一方、極端な早期選別は格差の拡大や階層の固定化を促進するという見方もある。小学校受験について多面的な研究を続ける教育学者が、私立・国立小学校受験の現状を、当事者の声も交え具体的かつリアルに報告。多様化する受験の実際や問題点、評価すべき点などを伝える。
1941年12月、真珠湾攻撃に参加した900人。その後、1年以内に半数が命を落とし、2割しか終戦を迎えられなかった。死ぬまで戦わなければならなかった、隊員たちそれぞれの人生。大好評NHK BS1「真珠湾80年 生きて、愛して、そして」書籍化。
大人しかった男性が、突如として暴力をふるう。「大丈夫です」と言っていた部下が、急に退職する。実は、その前兆はすべて顔に表れていた!幸福、軽蔑、嫌悪、怒り、悲しみ、驚き、そして恐怖。こうした感情は、国や文化を問わず、いつでも、どこでも、誰にでも、同じ表情として顔に生じる。「表情分析」スキルは、米国、FBI、CIAでも駆使されている科学的な技術だ。その真髄を、犯罪捜査にも協力してきた著者が披露する。