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台湾有事 歴史・軍事・安定のメカニズム

台湾有事 歴史・軍事・安定のメカニズム

五十嵐隆幸

中央公論新社/2026-07-23

1320円

近年、危惧される「台湾有事」。 中国の軍事力増強は目覚ましく、台湾周辺での演習も常態化している。1950年以来、中台双方の軍事行動を封じてきた米国の関与も揺らぐ。危機は本当に避けられないのか。 本書は「侵攻か否か」という単純な議論を超え、中台の軍事・防衛力を検証し、歴史とともに作り上げられた複雑な抑止と危機管理のメカニズムを解き明かす。 安定と平和のために国際社会、そして日本は何ができるか。 ■目 次■ はじめに 序 章 「台湾有事」とは何か 第1章 歴史の影ーー海峡を隔てた内戦の継続と冷戦 1 日本による台湾の割譲と返還 1895〜1945 2 台湾海峡で睨み合う蔣介石と毛沢東 1945〜1960 3 大陸反攻と外交闘争 1960〜1969 4 狭まる国際空間と対米断交 1969〜1979 5 民主化の波と蔣経国の決断 1979〜1987 コラム1 日本の戦後処理で「放棄」された台湾 コラム2 米中「三つの共同コミュニケ」と「一つの中国」をめぐる相違 コラム3 米国の台湾関係法と「現状維持」の戦略 第2章 冷戦後の台湾ーー統一圧力下の危機管理と現状維持 1 李登輝の政治改革と危機の再燃 1988〜2000 2 陳水扁政権への「独立」阻止の圧力 2000〜2008 3 馬英九の対中融和路線と統一への懸念 2008〜2016 4 民主主義国の蔡英文への支持 2016〜2024 5 内外の制約と頼清徳政権 2024〜 第3章 中 国の台湾侵攻は可能か?ーー決断を縛る三つのハードル 1 台湾侵攻の決断条件 2 中国人民解放軍の実力 3 想定される侵攻シナリオ 第4章 台湾はいかに守るか?ーー台湾防衛の実像 1 専守防衛への転換と戦略の調整 2 台湾を防衛する「中華民国」の軍隊 3 国家総動員体制 4 米国依存の軍事力整備からの脱却 5 中国の侵攻シナリオに対する軍事力 第5章 軍 事侵攻か? 平和統一か?ーー台湾統一への道筋 1 侵攻を決断する「好機」と「最後の機会 2 平和統一路線と台湾をめぐる正統性 3 戦わずして統一するアプローチ 4 武力が選ばれるとすればーー条件付きの将来戦 第6章 「台湾有事」は回避できるか?ーー抑止と危機管理のメカニズム 1 米中の思惑が交叉する台湾海峡 2 米台関係の実務と基盤 3 危機回避を支える国際関与 4 「台湾有事」と日本 終 章 台湾海峡の平和と安定 おわりに 主要参考文献 関連年表

堤未果の『すばらしい新世界』 スマホで赤ちゃんを注文する日

堤未果の『すばらしい新世界』 スマホで赤ちゃんを注文する日

堤 未果

集英社/2026-06-17

1034円

100年前のディストピア小説『すばらしい新世界』は、21世紀の予言書だった! 富裕層は不老長寿を金で買い、マイナス感情は脳から速やかに除去され、卵子の段階で理想の赤ちゃんが選べ、主治医は胃の中から24時間体調を監視してくれる。高速で進むバイオ医療と各国でスピード化される安楽死法の波は、私たち日本人が避けてきた問いを突きつける。一体「いのち」とは誰のものなのか? 国際ジャーナリスト堤未果が、自らの家族が最期にとった選択を通して、岐路に立つ人間の尊厳について探る衝撃の書。 目次 プロローグ 第1章 「生」〜スマホで赤ちゃんを買う日〜 人工子宮で女性たちを自由に!/「優秀な受精卵」が売り買いされる/亡くなったペット、700万円で復活させます/遺伝子操作赤ちゃんで世界が震えた 他 第2章 「老」〜寿命を買う者、老いを抱きしめる者〜 150歳まで生きろ/老化は「バグ」(欠陥)だ/18歳の肉体を取り戻す人体実験/死後もデジタルで「生き続ける」 他 第3章 「病」〜マイナス感情は消去せよ〜 現代の「感情消し薬」/性格を書き換える薬/1週間で「効く」抗うつ剤/薬がダメなら磁気で脳を「リセット」/脳は、60兆円市場だ/痛みは、伝わらないからこそ美しい/なぜ心療内科の先生は話を聞いてくれないのか/「やんちゃな子」から「脳に問題を抱える子」に/「加油!」と叫ぶ、手首の監視員/椅子の座面がサボりを記録/監視カメラは体内に/冷蔵庫が、食べる自由を奪う/あなたの身体は国と企業のものになる 他 第4章 「死」〜国家が、死を売る〜 20人に1人が医師の手で死ぬ国(カナダ)/年160億円──安楽死という予算削減/承認当日に「スピード安楽死」/医師は「命を終わらせる技術者」に/家賃が払えず「安楽死」を選んだ54歳男性/日本人は、空気を読んで死を選ぶ/障害者団体は、最後の防波堤/大切な人と、死を語れますか?/「死にたい」と思ってもいい/子供たちに、どちらを残しますか エピローグ 著者略歴 国際ジャーナリスト。東京生まれ。NY市立大学大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券等を経て現職。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞、『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞と新書大賞をW受賞。『沈みゆく大国アメリカ』『日本が売られる』『デジタルファシズム』など、著書多数。WEB番組「新・堤未果のアンダーワールド」配信中。

世界政治1 ーー民主化と権威主義化

世界政治1 ーー民主化と権威主義化

岩崎正洋/松尾秀哉

筑摩書房/2026-04-09

1034円

トランプやプーチンはなぜ出現したのか 民主主義はどうなるのかーー 世界の今がわかる 新しい政治学入門 世界の政治が、日本人から遠い存在になってしまっている。それは、国際政治学では説明しきれないテーマや出来事が数多くあるからでもあろう。そこで第一線の政治学者の知を結集し、比較政治学のツールで世界各国の政治を見ていくのが、新シリーズ『世界政治』。第1巻では、近年世界を席巻している「民主主義の後退」と「権威主義化」の二つの現象を考察。世界各国のケースを紹介しつつ、最新の政治的現象の分析から構造的な問題の俯瞰までをカバーする、全く新しい政治学入門。 === 【目次】 序章 世界政治をどうみるか(岩崎正洋) 第1章 世界政治における民主主義の問題(杉浦功一) 1 世界政治における民主主義の危機? 2 民主主義の後退 3 民主主義の防衛へ向けて 第2章 アメリカの民主主義の現在(梅川葉菜) 1 現代アメリカの民主主義ーー枠組みと問題関心 2 包摂と排除の政治 3 代表制の歪みと過大代表された政党による統治 4 現代アメリカと民主主義の脆弱性 第3章 個人化するロシアの権威主義体制(溝口修平) 1 新たな独裁者の時代 2 プーチンによる権力掌握 3 エリートの統制 4 第二次プーチン政権における個人化の進展 5 ウクライナ侵攻とロシアの行方 第4章 タイの民主主義に未来はないのかーー革新派政党の挑戦(外山文子) 1 「民主主義の後退」の先駆けーークーデタ13回のタイ 2 既得権益ネットワークの形成と拡大ーー民主主義vs「ディープ・ステイト」 3 民主主義のラストホープ?ーータイ革新派政党の誕生 4 あくまで議場で戦うーー革新派政党の戦略転換と苦悩 第5章 カンボジア「民主化」後の世襲独裁ーー人民党支配の半世紀(山田裕史) 1 「民主化」という逆説ーーカンボジアからの視座 2 人民党支配の起源と構造 3 独裁強化と王朝化の進展ーー選挙操作から世襲へ 4 越境する権威主義ーー日本という最前線と民主化支援への教訓 第6章 インドネシアにおける民主主義の後退(増原綾子) 1 民主主義の定着から後退へ 2 民主的な制度構築と民主政治の実践ーー第一フェーズから第二フェーズまで 3 民主化進展の裏で構造化する問題 4 民主主義後退の時代ーー第三フェーズ 5 なぜインドネシアで民主主義は後退しているのか 第7章 エクアドル民主制のゆくえーー後退からの脱却(宮地隆廣) 1 ラテンアメリカにおける民主制の後退 2 エクアドルにおける民主制の後退 3 民主制の後退からの脱却 4 民主制の後退に対する捉え方 第8章 南アフリカの民主主義の現在地(牧野久美子) 1 南アフリカの民主化と一党優位 2 優位政党としてのANC 3 ANC一党優位の衰退と終焉 4 ポスト一党優位時代の南アフリカの民主主義 第9章 アラビア半島の権威主義国家ーー石油・君主制・移民(松尾昌樹) 1 権威主義国の優等生 2 君主制 3 石油ーーレンティア国家とは何か 4 移民エスノクラシーーー移民を権威主義統治に活用する 第10章 国際的な民主化支援とその激変(市原麻衣子) 1 激変する民主化支援 2 米国による民主化支援の大幅な弱体化 3 他国による民主化支援への期待と現状 4 変化が及ぼす影響 5 今後の展望 コラム1 独裁体制の変貌(東島雅昌) コラム2 韓国の民主化と権威主義の遺産(安周永) コラム3 中国政治と民主化論(小嶋華津子) コラム4 ベネズエラの政治危機(宮地隆廣) コラム5 競争的権威主義の欺瞞を突くモザンビークのZ世代(網中昭世) コラム6 国連と民主化(杉浦功一) 【各章・コラム執筆者】 杉浦功一 文教大学国際学部教授。 梅川葉菜 駒澤大学法学部教授。 溝口修平 法政大学法学部教授。 外山文子 筑波大学人文社会系准教授。 山田裕史 新潟国際情報大学国際学部教授。 増原綾子 亜細亜大学国際関係学部教授。 宮地隆廣 東京大学大学院総合文化研究科教授。 牧野久美子 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員。 松尾昌樹 宇都宮大学国際学部教授。 市原麻衣子 一橋大学大学院法学研究科教授。 東島雅昌 東京大学社会科学研究所教授。 安周永 龍谷大学政策学部教授。 小嶋華津子 慶應義塾大学法学部教授。 網中昭世 アジア経済研究所地域研究センター・アフリカ・ラテンアメリカ研究グループ長。 ===

クジラから世界を考える

クジラから世界を考える

倉澤 七生

集英社インターナショナル/2026-02-06

1188円

野生動物との共生 環境保護 捕鯨推進・反対の対立点… クジラの問題は遠いようでじつは近い!! クジラを取り巻く現状を知ることは、今現在の問題を考えるためのヒントを与えてくれる 長年、クジラに関する市民活動を行ってきた著者がIWC(国際捕鯨委員会)への出席などの経験も含め、実際に見聞きした「クジラの現場」をレポートするとともに、前述の諸問題に対処するためのヒントをつづります。 昨今、クジラ関連のニュースというと、ほとんどは捕鯨船の出航を伝える程度のものですが、その背景には、クジラやイルカなどの頭数の増減や海洋汚染といった環境問題、野生動物を資源と考えるか保護の対象と考えるかなどの考え方(思想)の問題、捕鯨推進派と反対派の隔たりが解決されない国際問題、クジラ肉消費という経済の問題……など、本来は今、考えなければならない事柄が山積しています。 学校給食で「クジラの竜田揚げ」を食べた世代だけでなく、様々な世代をクジラやイルカをはじめとする人と自然環境の現状とそれをどう捉えるかという発想の転換へ誘い、「今を考えるヒント」をお届けします。 【目次より】 第1章 クジラについて、 なぜ私がクジラ問題にかかわったのか 第2章 クジラのウソとホント 第3章 クジラと国際政治 第4章 漁業としてのイルカ 第5章 見るイルカ 第6章 クジラと人の未来について 終章 海を守る、人を守る 【著者略歴】 倉澤七生 (くらさわ ななみ) IKAN(イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク)事務局長。環境や自然、社会問題をテーマとする雑誌『Oikos』の発行などの活動を通じて、クジラ問題をウォッチ、発言を続ける。

新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか

新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか

川北省吾

講談社/2025-12-24

1265円

ロシアによるウクライナ侵攻、世界的な移民排斥運動、権威主義的国家の台頭、トランプ2.0、そして民主主義制度基盤の崩壊……。 「なぜ世界はここまで急に揺らぎはじめたのか?」。共同通信社を代表する国際ジャーナリストが、混迷する国際政治の謎を解き明かすために、国際政治学者や評論家、政治家や現場を知る実務家へのインタビューを敢行。辿り着いた答とは? プロローグ 「警察官」の退却  第1章 覇者の驕りー「無敵」から「Gゼロ」へ 第2章 「格差」の超大国ーアメリカを蝕む病 第3章 リバンチズムー「大ロシア」再興の野望 第4章 百年国恥 ー中華民族の偉大な復興 第5章 「南」の逆襲ーBRICSの論理と心理 第6章 白人の焦燥ー「人種置換」の世界観 第7章 SNSと情報工作ー民主主義の新たな脅威 第8章 「警察官」の犯罪ー時代遅れの戦後秩序 第9章 逆流する歴史ーよみがえる伝統主義 エピローグ 「19世紀」へ向かう歴史

日本人の幸せ ウェルビーイングの国際比較

日本人の幸せ ウェルビーイングの国際比較

内田由紀子

中央公論新社/2025-12-23

1078円

国や地域別の幸福度ランキングが、しばしば注目を集める。 だが、そもそも幸せの基準は文化によって異なる事実を文化心理学が実証した。 一例として幸福感は、欧米では個人的な達成感、日本では対人関係と関連する。 本書は国際比較を通し、日本社会における幸せの特徴を探る。 また、個人の一時的な感情にとどまらず、地域コミュニティ、職場、学校などの現場における持続的な幸福(ウェルビーイング)についても考える。

イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで

イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで

黒田賢治

中央公論新社/2025-11-20

1155円

1979年にホメイニー師を中心とした革命で発足したイラン・イスラーム共和国。シーア派の理論に基づいた体制を敷き、中東でも反アメリカ、反イスラエルの急先鋒として存在感を示す。国際的に孤立しようとも核開発を進めて独自の道を歩むが、ここに至るには東西冷戦や中東での覇権争いなど複雑な歴史があった。本書は革命以後の軌跡を政治・経済・社会の側面から迫る。混迷する国際情勢の中、イランはどこへ向かうのか。 ■目 次■ はじめに 序 章 近代国家建設と東西冷戦構造 1 パフラヴィー朝の成立と近代国家への道 2 モハンマド=レザー・シャーの専制政治と白色革命 3 反王政運動と王の国外退去   コラム1 在外イラン人学生の運動 第1章 ホメイニー体制と革命勢力の角逐 1 ホメイニー師の帰還と革命の達成 2 バーザルガーン暫定政府と憲法制定 3 イスラーム共和国体制と大統領選挙   コラム2 反西洋とファストフード 第2章 イラン・イラク戦争とイスラーム共和体制 1 押しつけられた戦争と「法学者の統治」 2 広がる戦火と「コントラ事件」 3 戦争の終結と新たな体制の模索    コラム3 亡命者とテヘランゼルス 第3章 ハーメネイー体制と政治的自由 1 新体制と戦後復興 ラフサンジャーニー政権(一九八九〜九七) 2 体制の変容と政治的自由 ハータミー政権(一九九七〜二〇〇五) 3 体制の問い直しと宗教実践の多義性   コラム4 レスリングとサッカー 第4章 新保守派の台頭と「緑の運動」 1 国際関係の緊張とアフマディーネジャード政権(二〇〇五〜一三) 2 国際的孤立と「緑の運動」 3 市民生活の変容と核開発問題   コラム5 科学者と頭脳流出 第5章 防衛戦略と核問題 1 革命防衛隊の社会への浸透 2 革命防衛隊とロウハーニー政権(二〇一三〜二一) 3 核問題の解決と中東情勢の変化   コラム6 日本とイランの国交一〇〇年 終 章 暗雲垂れ込めるイスラーム共和体制の未来 1 ライースィー政権(二〇二一〜二四年)への期待と終焉 2 急変する国際情勢とペゼシュキヤーン政権の発足 3 イスラーム共和体制の未来 あとがき 主要参考文献 関連年表

ローマ教皇 伝統と革新のダイナミズム

ローマ教皇 伝統と革新のダイナミズム

山本芳久

文藝春秋/2025-08-20

1100円

混迷をきわめる国際政治に一石は投じられるか ローマ教皇フランシスコが帰天し、アメリカ人初となる(267代)ローマ教皇が新たに選出された。フランシスコと同じく南米での活動が長く、前教皇の貧しい人々に寄り添う路線を引き継ぐと目されるレオ14世とはいかなる人物か? 映画『教皇選挙』のヒットに続き、フランシスコ葬儀の場でのトランプとゼレンスキーの会談、ヴァンス米副大統領を批判するレオ14世のXでの発言など、国際政治とのクロスにおいてもローマ教皇が再び注目を集めている。 学者から転身したベネディクト16世、世界の分断に橋をかけようと奮闘したフランシスコ、そして19世紀末のレオ13世の名を引き継ぐレオ14世ーー『聖書』に登場するイエスの使徒ペトロ以降、2000年以上連綿とバトンが受け継がれてきたローマ教皇とはいかなる存在か。混迷をきわめる国際政治に一石は投じられるのか。 トマス・アクィナスの研究者であり神学者・哲学者の著者が、フランシスコの遺産とともに綴る現代ローマ教皇論。 目次 第1章 SNS時代の教皇 第2章 フランシスコからレオ十四世へ 第3章 教皇フランシスコーー「橋を架ける」ーー 第4章 レオ十四世ーー「落ち着かない心」ーー 第5章 ベネディクト十六世ーー信仰・希望・愛ーー

基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

中野剛志

文藝春秋/2025-07-18

950円

トランプ関税の本当の狙いを徹底解明 世界を揺るがせた「トランプ・ショック」。 この唐突な関税措置に対して、こう考えている人は少なくないだろう。 <自由貿易というリベラルな国際経済秩序は、アメリカを含む世界各国に利益をもたらしており、堅持すべきだ> <トランプは「取引」によって、短期的な利益を上げることしか考えていない> <リベラルな国際経済秩序に反するトランプ政権の行動は、ドルの急落を招く。経済指標が悪化すれば、アメリカは翻意するかもしれない> 本書で示されているのは、これらとはまったく違う認識である。 まず言えるのは、既存の国際経済システムには致命的な欠陥があるということだーー 「通貨」という視点から、世界経済の歴史的な構造変化を徹底分析。 本書を読むことで、世界経済についての解像度が上がる!

グローバル格差を生きる人びと 「国際協力」のディストピア

グローバル格差を生きる人びと 「国際協力」のディストピア

友松夕香

岩波書店/2025-06-25

1034円

「善意」の国際協力は限界を迎えている.アフリカの人びとはSNSや衛星放送で日々目にする豊かな国の暮らしを羨望し,先進国との関係に疑念を抱くようになった.「支援」によって困窮する農村や女性,国際詐欺や陰謀論……長年のフィールド研究の成果をもとに,人びとの目線で「国際協力」の神話を解体し,新たな共存の道を探る.

戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

赤根智子

文藝春秋/2025-06-20

1000円

二つの戦争、そして戦後国際秩序の行方は ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受けることにもなった。さらにはトランプ大統領の大統領令による経済制裁の脅威にさらされるなど、世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機にある。 第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、国際平和秩序を守ろうと奮闘してきた国際刑事裁判所とはいかなる機関か。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とはーー。 「世界で起きていることが日本では起きないとは限らない」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。 「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。 ※本書電子書籍版は刊行後の国際情勢の変化を鑑み、2025年10月に記述の一部を更新しました。

東京美術学校物語 国粋と国際のはざまに揺れて

東京美術学校物語 国粋と国際のはざまに揺れて

新関公子

岩波書店/2025-03-25

1056円

東京芸術大学の前身,東京美術学校の波乱の歴史をたどりながら,明治維新以後の日本美術の,西洋との出会いと葛藤を描く.フェノロサ,岡倉天心,黒田清輝,横山大観…….国粋と国際派の勢力争いの中,戦争へと突き進む時代にもまれながら,日本美術はいかに模索され,戦後の近代美術へ展開していったのだろうか.

外交とは何か 不戦不敗の要諦

外交とは何か 不戦不敗の要諦

小原雅博

中央公論新社/2025-03-24

1210円

『日本経済新聞』(朝刊)2025年4月12日、『外交』2025年,vol.91、『公明新聞』2025年7月7日等に書評掲載 米中の覇権争い、あいつぐ戦争。 試練の時代に日本外交はどこへ、どう向かうべきか。 戦後に吉田茂が残した名言がある。 《戦争に負けて、外交で勝った歴史はある》 この言葉は、戦前、戦争に反対し、戦後は外交によって敗戦からの再建と国際社会への復帰に道筋をつけることになる外政家だからこそ口にできた言葉である。 本書が探るのは戦争をせず外交で平和的に問題を解決するための要諦である。 現実主義と理想主義、地政学と戦略論などの理論、E・H・カーやキッシンジャーらの分析に学ぶ。 また陸奥宗光、小村寿太郎、幣原喜重郎、吉田茂、そして安倍晋三らの歩みから教訓を導く。 元外交官の実践的な視点から、外交センスのある国に向けた指針を示す。 序 章 外交とは何か 外務省極秘調書『日本外交の過誤』/外交か軍事か?/外交の定義/外交の起源と外交慣行・外交思想の形成/外交官の使命 第1章 日本外交史の光と影 3つの時代区分 1「調和」の時代(1853〜1912年) 開国外交/近代日本外交の始動/「坂の上の雲」をめざした明治日本の外交/四人の外政家/主権線と利益線/日清戦争と陸奥外交/日英同盟論と日露協商論/日露開戦とポーツマス講和会議/韓国保護国化と伊藤の統監就任/明治の戦争が残したもの 2「攻防」の時代(1912~31年) 明治モデルの限界/原敬を失った大正日本/ワシントン体制と軍の反撃/協調外交と強硬外交/統帥権干犯問題 3「崩壊」の時代(1931~45年) 満州事変/「昭和維新」/外務省革新派と三国同盟/日米交渉/振り子原理と幻の日米首脳会談/ジョージ・ケナンの批判 第2章 戦前の教訓と戦後の展開 1「崩壊」の原因 陸軍の独断専行/真のリーダーの不在/外交「崩壊」の原因 2「外交優先」の時代(1945年~) 第3章 法と力 1外交の現場たる国際社会の本質 「法の支配」の脆弱性/自然権と自然法/「力」の視点 2リアリズムとリベラリズム 台頭国家による国際秩序への挑戦/権力と国際秩序/現実主義か理想主義か?/アメリカ外交の理想と現実/理想主義的現実主義 第4章 内政と外交 カギを握る内政/世論と外交/政治体制と外交/外交一元化/錯綜する利益の国内調整/外交の透明性/外交文書の公開 第5章 国益とパワー 国益とパワーの関係 1国益論 死活的国益/力の論理と自由の価値/日本の国益 2外交とパワー パワーとは何か?/核兵器と「相互確証破壊」/「強制外交」と「力の行使」 3外交実務の要諦 (1)全体性/(2)両立性/(3)持続性/(4)直接性/(5)相互主義/(6)合理性/(7)正当性/(8)戦略性 第6章 戦略と地政学 戦略とパワー/大国関係と戦略/「封じ込め」/「デカップリング(切り離し)」と「デリスキング(リスク低減)」/「戦略的競争」と「競争的共存」/「戦略的安定」と「戦略的パートナーシップ」/戦略の背景にある地政学/米国の海洋覇権に対する中国の挑戦/中国の海洋戦略/自由で開かれたインド太平洋/米国の海洋安全保障戦略 第7章 外交力の要諦 「外交力」とは何か? 1情報力 外交における「情報」とは何か?/情報収集の要諦/機密情報の入手/陸奥宗光の情報分析/情報と政策の関係/偽情報と情報戦 2交渉力 米朝首脳会談の教訓/信頼と譲歩/「同意しないことに同意する」/力を欠いた「悪しき宥和」 3外交感覚 「外交感覚」とは何か?/ナショナリズムとバランス感覚/「空気」に沈黙した外交感覚 4外交官の「個の力」 外交官の職務と役割/外交官に必要な資質/知力/誠実さ/勇気 終 章 試練の日本外交 戦争の教訓からの出発/国際協調による国益確保/「国際協調」への批判/「積極的平和主義」/外交手段としてのODA/東アジア秩序の構想/アメリカ主導秩序の終焉/日中関係のマネージメント/グローバルサウスを味方に/米国の力と意思/国家安全保障戦略の転換/時代の空気感/日本有事と抑止力/「核なき世界」をめざして/外交センスのある国家

コミンテルン 国際共産主義運動とは何だったのか

コミンテルン 国際共産主義運動とは何だったのか

佐々木太郎

中央公論新社/2025-02-21

1155円

ロシア革命後の一九一九年、コミンテルン(共産主義インターナショナル)は、世界革命のために誕生。 各国共産主義政党の国際統一組織として、欧州のみならずアジアなど各地に影響を及ぼすべく、様々な介入や工作を行った。 本書は、レーニンやスターリンら指導者の思想も踏まえ、知られざる活動に光をあてる。 一九四三年の解体にいたるまで、人々を煽動する一方、自らも歴史に翻弄され続けた組織の軌跡を描き出す。 目次 まえがき 序 章 誕生までーーマルクスからレーニンへ 第1章 孤立のなかでーー「ロシア化」するインターナショナル 第2章 東方へのまなざしーーアジア革命の黎明 第3章 革命の終わりと始まりーーボリシェヴィズムの深層 第4章 大衆へーー労働者統一戦線の季節 第5章 スターリンのインターナショナルーー独裁者の革命戦略 第6章 「大きな家」の黄昏ーー赤い時代のコミンテルン 第7章 夢の名残りーー第二次世界大戦とその後 あとがき 主要参考文献 コミンテルン 関連年表 主要人名索引

日米首脳会談 政治指導者たちと同盟の70年

日米首脳会談 政治指導者たちと同盟の70年

山口航

中央公論新社/2024-12-23

1276円

日本の「参勤交代」「物乞い」とまで当初揶揄された日米首脳会談。 経済面での日本の台頭、米国の翳りから、貿易摩擦や安全保障問題を抱える関係、2国間を超えた国際社会でのパートナーへと変貌。 他国と比しても会談頻度は増している。 トップ同士の対話や人間関係は、何を生み、創ってきたかーー。 本書は、米国14人、日本28人の首脳による約150回に及ぶ会談を追い、70年以上にわたる日米関係を政治指導者を通して描く。 【目 次】 まえがき 序 章  首脳会談とは何かー重層的な拡がり 第1章 「参勤交代」の時代ー日米安保体制の成立 1 幕開けー吉田とトルーマン、アイゼンハワー  2 「日米新時代」と安保改定ー岸とアイゼンハワー  3 「イコール・パートナーシップ」ー 池田とケネディ、ジョンソン 4 沖縄返還と「密約」ー 佐藤とジョンソン、ニクソン 第2章 首脳会談の定例化ー冷戦と負担分担 1 大統領初来日とサミット体制ー田中・三木とニクソン、フォード 2 ガイドラインと「同盟関係」ー福田・大平・伊東・鈴木とカーター、レーガン 3 「ロン・ヤス」関係ー中曽根とレーガン 4 昭和のおわりと冷戦の黄昏ー竹下・宇野とレーガン、ブッシュ 第3章 同盟の漂流と再定義ーポスト冷戦と日米摩擦 1 「湾岸戦争のトラウマ」ー海部とブッシュ 2 通訳不要の首相ー宮澤とブッシュ、クリントン 3 北朝鮮核危機と経済摩擦ー細川・村山とクリントン 第4章 蜜月と短期政権ー「戦時の同盟」 1 アフガニスタン戦争とイラク戦争ー小泉とブッシュ 2 不安定な日本政治ー安倍・福田・麻生とブッシュ、オバマ 3 対等性の模索ー鳩山・菅・野田とオバマ 第5章 安定政権の登場ー自由で開かれた国際秩序を求めて 1 「希望の日米同盟」ー安倍とオバマ 2 揺らぐ国際秩序ー安倍とトランプ 3 「ハブ」としての日米首脳会談へー菅・岸田とバイデン 終 章 変化する首脳会談と日米同盟 あとがき 付 録 日米首脳会談一覧(1951〜2024年)

グローバルサウスの時代〜多重化する国際政治〜

グローバルサウスの時代〜多重化する国際政治〜

脇祐三

光文社/2024-12-18

1100円

グローバルサウスとはインドや中東、アフリカ諸国をはじめとした地域を指す言葉であり、西側諸国にも中国・ロシアにも与さない、国際政治における第三極のグループだ。爆発的な人口増加と経済成長を武器に国際社会で大きな影響力を持つようになった彼らは、既存の国際秩序にどのような不満を持ち、どう変えたいと思っているのか。米中対立とはどう関係してくるのか。そして日本は彼らとどう付き合っていくべきなのか。

グリーン戦争ー気候変動の国際政治

グリーン戦争ー気候変動の国際政治

上野貴弘

中央公論新社/2024-06-19

1265円

人類共通の課題、気候変動。各国はこれを解決すべく、温室効果ガスの排出削減を目標に掲げ2015年にパリ協定に合意した。しかし17年、トランプ米大統領が協定脱退を宣言。中国やインドなど新興国が条件闘争をはじめ、国際協調が動揺している。本書は米国、欧州、新興国の利害が錯綜する政治力学を、産業、貿易、金融、エネルギーの観点から解き明かす。激しい国家間対立の終結を目指して、世界、日本が進むべき道とは。

国際情勢でたどるオリンピック史

国際情勢でたどるオリンピック史

村上直久

平凡社/2024-06-17

1089円

2024年7月に開幕するパリオリンピックを前に、国際情勢に翻弄されてきた近代オリンピックの激動の歴史を新たな視点からたどる。

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