AI、ジェンダー、ポピュリズム、 パンデミック、薬物問題ーー 迷走する世界の課題を一望する 政治は人間のためのものであるにもかかわらず、かつては人の多様性をあまり考慮することなく論じられ、実践されていた。だが今や世界各国でジェンダーやマイノリティの存在が前提とされ、多様性を重視した制度設計や政策などが求められている。ジェンダー平等、福祉や財政をめぐる排外主義、政治の司法化、AI、パンデミックなど現代政治の諸問題に、世界各国はどう対処しているのか。各国の政治を丁寧に比較し、その根底を流れる政治の普遍性を考察していくシリーズ最終巻。 === 【目次】 序章 新たな政治の課題を考えるために(岩崎正洋) 第1章 ジェンダーをめぐる政治対立ーー右傾化する政治と平等への希求(三浦まり) 1 ジェンダー平等をめぐる政治対立 2 日本におけるバックラッシュ 3 反ジェンダー攻勢の世界潮流 4 右傾化する政治と保守女性政治家の役割 5 ジェンダー秩序を問い直す 第2章 女性政党の可能性ーー女性の政治代表性を高めるもう一つの挑戦(申キ榮) 1 女性政党とは何か、なぜ現れるのか 2 女性政党は何を代表するのかーー類型と争点 3 日本の生活者ネットワークーー女性政党の日本的実践 4 女性政党の意義と展望 第3章 女性の政治参画は何を変えるのかーーメキシコの事例(馬場香織) 1 女性の政治参画の比較政治学 2 実体的代表をめぐる実証研究の展開 3 メキシコにおける女性に対する暴力対策の事例 第4章 福祉国家はどこへ向かうのかーーポピュリズム時代の福祉と財政の政治(西岡晋) 1 ポピュリズム時代の福祉国家 2 なぜ福祉は批判されるのか 3 なぜ減税は支持されるのか 4 福祉国家はどこへ向かい、どこへ向かうべきか 第5章 政治権力としての裁判所ーー権力分立は生き残れるか(井関竜也) 1 政治権力としての司法 2 裁判官の行動原理 3 世論と司法 4 危機に晒される司法 第6章 フィリピンにおける違法薬物と民主主義(日下渉) 1 麻薬に依拠する民主主義 2 麻薬王の地方首長と大統領の麻薬戦争 3 麻薬をめぐって円環する民主主義 第7章 ロックダウンからの逃走(小松志朗) 1 封鎖する国、しない国 2 感染症対策のパラダイム転換 3 ロックダウンの国際比較 4 コロナ後の感染症対策 第8章 政治体制の差異がパンデミック対策にもたらす影響(安中進) 1 民主主義国家と権威主義国家 2 政治体制とコロナ死者数 3 政治的動機とデータ操作 4 民主主義国家日本のコロナ 第9章 AIは民主主義をどう変えようとしているのか(山本達也) 1 AIが揺さぶる民主主義社会の基盤 2 情報空間の変容と揺さぶられる民主主義への信頼 3 公共圏と「共有された現実」 4 AI倫理へのアプローチ 第10章 電子投票は復活するのか(岩崎正洋) 1 変わる選挙・代わる民主主義 2 電子投票とは何か 3 電子投票の実態と課題 4 電子投票とネット投票 コラム1 ジェンダー主流化の観点から議会を変革する(左高慎也) コラム2 LGBTをめぐる政治(日下渉) コラム3 福祉国家の「三つの世界」への招待(西岡晋) コラム4 難民の移動ルート(小松志朗) コラム5 デジタル権威主義における統治とリーダーシップ(大澤傑) コラム6 SNS時代の世論操作(小林哲郎) 【各章・コラム執筆者】 三浦まり 上智大学法学部教授 申キ榮 お茶の水女子大学人間文化創生科学研究科教授 馬場香織 東京大学大学院法学政治学研究科教授 西岡晋 東北大学大学院法学研究科教授 井関竜也 東京大学社会科学研究所助教 日下渉 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授 小松志朗 山梨大学大学院総合研究部准教授 安中進 早稲田大学社会科学総合学術院准教授 山本達也 清泉女子大学学長 左高慎也 名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンター特任助教 大澤傑 愛知大学国際コミュニケーション学部准教授 小林哲郎 早稲田大学政治経済学術院教授
#主義 の新書一覧
このテーマに関連するタグ
ロシアの政治ジョークが描く、民衆の不満と批判! 「アネクドート」とは、主に旧ソ連を中心とする国々で発展した政治的風刺・ジョークである。レーニンによる世界初の社会主義革命、赤軍と白軍の内戦、スターリンの大粛清、史上最大の戦争となった独ソ戦、戦後の社会主義建設と解体、国家の崩壊ーー。「戦争と革命の世紀」の激動を横目に、ロシアの民衆はジョークによって憂さを晴らし、事態を諦観してきた。本書では、日本人が笑えて学べて納得できる作品を厳選し、ロシア革命からウクライナ戦争まで、百年余の歴史を「アネクドート」でたどる! ●第一章 社会主義革命とスターリン 一九一七〜五三年 ●第二章 フルシチョフ・ブレジネフ時代 一九五三〜八二年 ●第三章 ソ連型社会主義の現実 ●第四章 ゴルバチョフとペレストロイカ 一九八二〜九〇年 ●第五章 ソビエト帝国の崩壊 一九九一年 ●第六章 悪夢の一九九〇年代 一九九二〜九九年 ●第七章 独裁者プーチンの謎 二〇〇〇〜一二年 ●第八章 強面のプーチン外交 ●第九章 超富裕層オリガルヒの跋扈 ●第十章 プーチン終身体制へ 二〇一二〜二六年 ●第十一章 ウクライナ戦争と「笑い」 【PHP研究所】
権威主義体制から 民主主義体制まで── リーダーシップは こんなに違う 世界各国の政治的指導者のリーダーシップを見ていくと、大統領制・議院内閣制といった公式的制度に大きな影響を受けていることがわかる。また政治的指導者は自らのパーソナリティに起因する言動を発しているだけでなく、各国の公式的および非公式的な制度によっても支えられていることがわかる。世界の様々な政治体制を比較し各国の固有の状況を描きつつ、近年の権威主義化、大統領制化の動きなどにも着目。世界のリーダーシップの現在を映し出し、今後の変化の行方を探る。 === 【目次】 序章 大統領制と議院内閣制に注目する意味(岩崎正洋) 第1章 アメリカ大統領制の変容ーー厳格な権力分立制から生まれる「強い」大統領(梅川健) 1 アメリカの大統領制はどう規定されているのか 2 大統領制の歴史的発展 3 第二次トランプ政権における変化 第2章 執行権力優位のロシア大統領制(長谷川雄之) 1 世界政治の中のロシア 2 現代ロシアの統治機構ーー二〇二〇年という節目 3 ロシア大統領と補助機関ーー大統領府、安全保障会議、「力の省庁」 第3章 混乱が呼び、混乱を呼んだ首相ボリス・ジョンソン(高安健将) 1 議院内閣制下の首相 2 英国のEU離脱 3 危機に見舞われる首相 4 政権崩壊へ 第4章 フランス「大統領制化」は強い政治リーダーシップを生むのか(吉田徹) 1 「共和的君主」の誕生 2 「超大統領制化」へ 3 政治の融解と再編 4 フランス大統領の存在意義 第5章 ルーマニア半大統領制下のリーダーシップ(藤嶋亮) 1 半大統領制の流行 2 大統領の憲法上の権限 3 大統領の党派的権力 4 リーダーシップの局面 5 大統領のリーダーシップのあり方 第6章 韓国大統領制の逆説ーー強くも脆い権力者(安周永) 1 比較政治からみた韓国大統領制 2 エリート主導型の社会構造と韓国大統領 3 市民の政治参加と韓国大統領制の安定条件 第7章 トルコエルドアンのリーダーシップと制度ーー「一強」の作り方(岩坂将充) 1 政治的リーダーへの注目の増大 2 「一強」への出発点 3 「一強」の確立へ 4 「一強」は盤石か 第8章 シンガポール一党支配体制下での指導者選択(金丸裕志) 1 「大統領制化」時代の政治的リーダーシップ 2 シンガポール人民行動党の一党支配体制 3 高度に「システム化」されたリーダー選出過程 4 大統領制化の時代とシステム化されたリーダーシップ 第9章 ラテンアメリカ諸国における大統領任期の不安定化(磯田沙織) 1 不平等が生み出すカリスマ的指導者 2 大統領の任期が不安定化する制度的な背景 3 大統領のリーダーシップが国会のイニシアティブを凌駕する時 4 国会のイニシアティブが大統領のリーダーシップを凌駕する時ーー大統領弾劾 第10章 一党優位体制のタンザニアにおける大統領の変遷(粒良麻知子) 1 サハラ以南アフリカにおける多様な政治体制 2 タンザニアの大統領制と歴代大統領 3 近年のタンザニア政治 4 タンザニア政治の今後 コラム1 スウェーデンにおける政治的リーダーシップ(清水謙) コラム2 ベルギー連立政権の謎(松尾秀哉) コラム3 台湾総統のリーダーシップと党団協商制度(松本充豊) コラム4 アルゼンチンの「変人」大統領と少数与党政権としての現実(菊池啓一) コラム5 エルサルバドルの選挙DX(笛田千容) コラム6 政治家よりも専門家?(井関竜也) 【各章・コラム執筆者】 梅川健 東京大学法学部教授 長谷川雄之 防衛省防衛研究所主任研究官 高安健将 早稲田大学教育・総合科学学術院教授、成蹊大学名誉教授 吉田徹 同志社大学政策学部教授 藤嶋亮 國學院大學法学部教授 安周永 龍谷大学政策学部教授 岩坂将充 北海学園大学法学部教授 金丸裕志 和洋女子大学国際学部教授 磯田沙織 神田外語大学外国語学部准教授 粒良麻知子 日本貿易振興機構アジア経済研究所副主任調査研究員 清水謙 東海大学政治経済学部特任講師 松本充豊 京都女子大学現代社会学部教授 菊池啓一 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員 笛田千容 駒澤大学総合教育研究部准教授 井関竜也 東京大学社会科学研究所助教
荒れる選挙とモラルの欠如、民主主義は地方からぶっ壊れている! なぜ「無法者」が議員になってしまうのか?なぜ選挙が「デタラメ」にハックされてしまうのか? 近年、日本各地の地方自治体で、 ・学歴詐称や倫理問題を抱えた首長 ・ヘイトスピーチやデマを平然と垂れ流す議員 ・陰謀論や排外主義を主張して当選してしまう議員 が見受けられる。 かつて「泡沫候補」と呼ばれたユニークな候補は、もうその「面白さ」を失い、単に民主主義を破壊する存在になりつつある。 これらは単なる「人物の資質」の問題ではない。 人口減少、産業空洞化、外国人労働への依存、環境問題、文化摩擦、情報環境の劣化といった地方が抱える構造的問題が、 倫理なき政治家や分断を煽る勢力にとって“利用しやすい土壌”になっているのではないか? 本書は、地方議会・地方選挙の現場に赴き、その様子をつぶさに報じてきた6人の視点で、「なぜ地方から民主主義が壊れているのか」を多角的に検証した書籍である。
毎日の会話を記録すれば、あなたの最高の武器になる! あなたが毎日何気なく交わしている会話をすべて記録し、AIに分析させるーーこの簡単な行為の積み重ねが、ビジネスに驚くべき変革をもたらします。会話のアーカイブさえあれば、従来あなたが独力で立ち向かっていた問題も、過去の類似事例と照らし合わせての集合知や、マニュアル化されていない職人の暗黙知の助けを得て簡単に解決できるようになります。会話データベースの集積によるこの革命は、「会話資本主義」と呼ぶべき新時代の幕開けです。AIがもたらした会話の集積・分析・活用の変革を最大限に活用するのが、本書で説く会話資本主義です。 *以下、本書目次より抜粋 まえがき 毎日、あなたの会社では「黄金」がドブに捨てられている 第1章 会話資本主義の理論的基盤 言葉・行動・思考の資本化 第2章 実証プロジェクト:会話採掘のインフラ コモディティ化する「魔法」 第3章 論理編:会話資本主義の科学的根拠 経営学が証明する「必然」 第4章 会話資本を育てる組織デザイン 第5章 実践編:ログ経営の現場 ストーリーで見る資本化の威力 終 章 会話から全行動へーー日本再興のラストチャンス あとがき
政党や政党システムから 現代の構造を理解するーー トランプを支えているのも 政党政治である 現代の政治の基本は政党にある。全体主義体制ですら、ナチスやファシスト党が政治の中心にあったが、現在でも民主主義体制であれ権威主義体制であれ、政党政治を見ていくことがその国の政治理解の基本となる。 政党と政党システムがどのように機能しているのかを、日本をはじめアメリカ、ヨーロッパ諸国のさまざまな例とともに、公式および非公式の政治制度と政党システムがいかに関連しているのかを検証。 世界の政党政治のパターンとそこから導き出される政治構造を解明する。 === 【目次】 序章 政党政治をどのように捉えるか(岩崎正洋) 第1章 連合理論で読み解く日本の連立政権ーー自公から自維へ(山本健太郎) 1 日本における連立の組み換え 2 連合理論とは何か 3 自公連立の位置付け 4 自維「連立」と中道改革連合 第2章 トランプ大統領を勢いづけるアメリカ二大政党政治(岡山裕) 1 アメリカの二大政党の特徴 2 民主主義の後退の危機と政党政治 3 分極化・拮抗状況下の政策形成 4 各州の政治とアメリカの民主主義の行方 第3章 ドイツ政党政治の歴史的・構造的変化(安井宏樹) 1 ドイツ政治を見ることの意義 2 戦前の混乱 3 西ドイツ時代の安定 4 統一後の動揺 第4章 イタリアの政党支配体制は終わったのか(伊藤武) 1 政党支配体制の克服としてのイタリア第二共和制 2 第二共和制の政党と政党システム 3 個人政党における政党規律と政党イメージ 4 政党支配体制の終焉と持続の間 第5章 揺らぐイギリス二大政党制(近藤康史) 1 イギリスの二大政党制の歴史と論理 2 イギリス二大政党制の変化 3 変化の効果と要因 4 二大政党制は生き残れるか? 第6章 オランダの分断社会と国民統合ーー多極共存型デモクラシー論から考える(水島治郎) 1 オランダと多極共存型デモクラシー論の展開 2 多極共存型デモクラシーの国際的広がり 3 多様性と包摂のディレンマ 第7章 スウェーデンの選挙と政党政治(渡辺博明) 1 政党政治と制度的条件 2 政党システムの基本構造 3 政党間競合の変化 4 民主政治と政党 第8章 政党組織の収入と支出ーー政党助成を中心に(浅井直哉) 1 政党への公的助成 2 日本における政党助成 3 「経費」か「利益」か 第9章 中欧 政党衰退時代の新政党政治(中田瑞穂) 1 中欧諸国の政党 2 ポーランドーー「法と公正」対市民プラットフォーム 3 ハンガリーーーオルバーンのフィデスとイリベラル・デモクラシー 4 チェコーーヴェイレンス・イシューの政党政治 5 スロヴァキアーーフィツォの「方向」対進歩スロヴァキア 6 政党衰退時代の新政党政治 第10章 社会不満と政治的対立軸(伊崎直志) 1 分断はどこから来たのかーー世界政治の共通状況 2 不平等の経験と社会構造 3 不満はいかに「価値対立」として現れるのかーーGALーTAN軸の構造 4 対立の構図に目を向ける コラム1 政党の組織と政治家のリクルート(網谷龍介) コラム2 政党メンバーシップと政党組織(堤英敬) コラム3 社会の個人化時代における政党組織と政党法制(濱本真輔) コラム4 シンガポールと東アジアの一党支配体制(金丸裕志) コラム5 ラテンアメリカの政党と社会(磯田沙織) コラム6 権威主義体制の政党政治(中井遼) あとがき(岩崎正洋) 【各章・コラム執筆者】 山本健太郎 國學院大學法学部教授 岡山裕 慶應義塾大学法学部教授 安井宏樹 神戸大学大学院法学研究科教授 伊藤武 東京大学大学院総合文化研究科教授 近藤康史 名古屋大学大学院法学研究科教授 水島治郎 千葉大学大学院社会科学研究院教授 渡辺博明 龍谷大学法学部教授 浅井直哉 日本大学法学部准教授 中田瑞穂 明治学院大学国際学部教授 伊崎直志 同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程 網谷龍介 津田塾大学学芸学部教授 堤英敬 香川大学法学部教授 濱本真輔 大阪大学大学院法学研究科教授 金丸裕志 和洋女子大学国際学部教授 磯田沙織 神田外語大学外国語学部准教授 中井遼 東京大学先端科学技術研究センター教授
そもそも政治とは何か、体系は見えにくい。 選挙で投票しなかったら不都合はあるのか。 政治家は誰の意見を重視するのか。 政党は何のために存在しているのか。 経済や生活にどんな影響を及ぼすのか。 政治は有権者を幸せにしているのか。 本書では、選挙、政治家、政党、有権者、メディア、民主主義などの基本概念をつなぎ合わせ、最新の政治学の理論と動向を紹介。 データをもとに、現在の民主政治の全体像を描き出す。 【目次】 まえがき 序 章 選 挙ーーなぜ大切なのか 政治とは何か 有権者と政治家 政治家をコントロールする 三つの例ーー景気対策、選択的夫婦別姓制度、汚職 本書の目的 選挙とは何かーー三つの条件 選挙の機能1ーー選抜機能 選挙の機能2ーー賞罰機能 有権者、政党、政府 選挙の追加的機能ーー多数派の尊重と暴力の抑止 第1章 政治家ーー誰が選ばれるのか 私たちは政治家の何を見ているか 好みと属性 政治家の出馬 選挙に勝つ見込み、出馬のコスト 属性の特徴ーー資産、学歴、年齢、性別、世襲 経済的地位や性別がもたらす影響 政治家の能力 能力と属性のトレードオフ 利己的動機と利他的動機 まとめ 第2章 政 党ーーなぜ存在するのか 別の主役 政党=好みが近い仲間とのチーム 好みの近さはなぜ重要か 政策パッケージと選抜機能 政党の業績と賞罰機能 景気に関する業績 政党誕生の歴史 イギリスの二大政党 政党とイデオロギー 左派と右派、リベラルと保守 社会文化をめぐるイデオロギー イギリスの政党のイデオロギー立場 日本の政党のイデオロギー立場 極右政党とポピュリズム まとめ 第3章 有権者ーー政治に何を求め、どう選ぶのか 理想的な有権者 忙しい有権者 有権者のイデオロギー立場 イデオロギー立場と政策選好 有権者の立場の形成 選抜の基準ーー争点投票 直観的な判断ルール 賞罰の基準としての経済状況 経済成長と与党得票率 投票1ーーベネフィットとコスト 投票2ーー教育水準、年齢 まとめ 第4章 メディアーー欠かせない存在なのか 情報を有権者に届ける メディアからの情報 報道機関は偏向しているか メディアの機能1ーー学習 メディアの機能2ーー説得 誘発とフレーミング デジタルメディアの影響 SNSの効用 誰が情報に接触するのか 選択的接触、エコーチェンバー、フィルターバブル メディアと民主主義 まとめ 第5章 選挙制度ーー競争のあり方は変わるのか 選抜機能と賞罰機能は両立するか 政党の数が多い場合 政党が二つの場合 選挙制度の特徴ーー比例代表制と多数代表制 機械的効果と心理的効果 各制度の目標の違い 選挙制度と政党数 民意と議会の関係 選挙制度と業績投票 二つの制度のメリットを活かす 選好と質のトレードオフ 中選挙区制の弊害 まとめ 第6章 民主主義ーー誰の意見が通るのか 前章までのまとめ 多数派と中位投票者 政党のイデオロギー立場や動員 民意の実現1ーー政策の中身 民意の実現2ーー 与党のイデオロギー 民意の実現3ーー参政権 民意の実現4 ーー民主主義の導入 ロビンフッド・パラドックス なぜ経済的不平等は拡大するのかーー献金、ロビー活動、バイアス くじ引き民主主義、ロトクラシー まとめ 終 章 政治は私たちのものなのか 楽観的でいいのか 少数派の横暴 分断を生み出すアイデンティティ政治をこえて 民主主義を生きる あとがき 参考文献 索 引
「働いて働いて働いて」の呪縛を解体せよ! 資本主義社会において、資産を持つ者と持たざる者の格差は、いまや目に見えて拡大している。 少子化で労働人口が減少しているにもかかわらず、たくさん働いても賃金は大きく上昇しない。 本来、貨幣は経済を効率よく回すためのツールであり、労働の目的ではない。にもかかわらず、資本主義の論理のなかで、ほとんどの人が「お金を稼ぐために働く」ことに縛られているのが現実だ。 しかし今、少子化の進行に加え、AIやロボット技術の急速な進歩によって、従来の資本主義の仕組みは限界を迎えつつある。 そんな中で、「お金を稼ぐために働く」ことをしなくても、自由に暮らしていける社会はいずれやってくるのか。 生物学者・池田清彦氏が、労働にまつわる歴史や資本主義の構造、ベーシックインカムやMMTといった制度を横断的に読み解きながら、「働くのが当たり前」という常識を根本から問い直す。 ・たくさん働いてもたくさん稼げないのが資本主義 ・「所得は労働と引き換えでなければならない」というウソ ・それでも「お金を稼ぐために働く」に縛られる理由 ・資本主義は「ピンハネ」を前提にしている ・AI化が労働と社会の仕組みを変化させる ・資本主義を維持するための「ベーシックインカム」 ・国債をいくら発行しても財政が破綻しない理由 ・「少子化危機」は資本主義の理屈にすぎない ・お金を稼ぐ行為から自由になれば、人生はもっと面白くなる
歴史教科書はその国の歴史が最もよくわかる映し鏡である 国家が認定する歴史教科書は、その国のオフィシャルな歴史像が最もよくわかる教材と言えます。そんな世界各国の歴史教科書を読み比べた著者陣が、特に注目すべき教科書や記述を選りすぐって紹介したのが本書です。帝国主義時代の「三枚舌外交」とのイギリスの向き合い方、ウクライナ戦争の前後で一変したロシアの歴史教科書、仇敵だったフランスとドイツが共同の歴史教科書をつくった理由、韓国は日本統治時代をどう教えているか、翻って日本の歴史教科書は世界的に見てどんな特殊性があるのかーー世界の歴史教科書の違いを知ることが、歴史をより深く考える一助となれば幸いです。 *本書目次 はじめに 第1章 イギリスの歴史教科書 帝国主義の「負の歴史」との向き合い方 第2章 ロシアの歴史教科書 ウクライナ侵攻以降、強まる愛国主義 第3章 フランスとドイツの共同歴史教科書 かつての敵同士が紡ぐ共通の歴史 コラム 加害者と被害者が共存するスイスの歴史教育 第4章 ブラジルの歴史教科書 植民地としての歴史をいかに語り直すか 第5章 韓国の歴史教科書 隣国との「しこり」をどう教えるか 第6章 チベットと中国の歴史教科書 主権を失ったチベットの歴史をめぐる伝承と抹消 第7章 デンマークの歴史教科書 教科書のない国の歴史教育 コラム 国によって変わるナポレオンの評価 第8章 オーストリアの歴史教科書 「被害者神話」から「加害責任」への転換を学ぶ 第9章 バルカン半島諸国の歴史教科書 民族紛争が続く地域での和解への試み おわりに 日本の歴史教科書を見直してみる
トランプやプーチンはなぜ出現したのか 民主主義はどうなるのかーー 世界の今がわかる 新しい政治学入門 世界の政治が、日本人から遠い存在になってしまっている。それは、国際政治学では説明しきれないテーマや出来事が数多くあるからでもあろう。そこで第一線の政治学者の知を結集し、比較政治学のツールで世界各国の政治を見ていくのが、新シリーズ『世界政治』。第1巻では、近年世界を席巻している「民主主義の後退」と「権威主義化」の二つの現象を考察。世界各国のケースを紹介しつつ、最新の政治的現象の分析から構造的な問題の俯瞰までをカバーする、全く新しい政治学入門。 === 【目次】 序章 世界政治をどうみるか(岩崎正洋) 第1章 世界政治における民主主義の問題(杉浦功一) 1 世界政治における民主主義の危機? 2 民主主義の後退 3 民主主義の防衛へ向けて 第2章 アメリカの民主主義の現在(梅川葉菜) 1 現代アメリカの民主主義ーー枠組みと問題関心 2 包摂と排除の政治 3 代表制の歪みと過大代表された政党による統治 4 現代アメリカと民主主義の脆弱性 第3章 個人化するロシアの権威主義体制(溝口修平) 1 新たな独裁者の時代 2 プーチンによる権力掌握 3 エリートの統制 4 第二次プーチン政権における個人化の進展 5 ウクライナ侵攻とロシアの行方 第4章 タイの民主主義に未来はないのかーー革新派政党の挑戦(外山文子) 1 「民主主義の後退」の先駆けーークーデタ13回のタイ 2 既得権益ネットワークの形成と拡大ーー民主主義vs「ディープ・ステイト」 3 民主主義のラストホープ?ーータイ革新派政党の誕生 4 あくまで議場で戦うーー革新派政党の戦略転換と苦悩 第5章 カンボジア「民主化」後の世襲独裁ーー人民党支配の半世紀(山田裕史) 1 「民主化」という逆説ーーカンボジアからの視座 2 人民党支配の起源と構造 3 独裁強化と王朝化の進展ーー選挙操作から世襲へ 4 越境する権威主義ーー日本という最前線と民主化支援への教訓 第6章 インドネシアにおける民主主義の後退(増原綾子) 1 民主主義の定着から後退へ 2 民主的な制度構築と民主政治の実践ーー第一フェーズから第二フェーズまで 3 民主化進展の裏で構造化する問題 4 民主主義後退の時代ーー第三フェーズ 5 なぜインドネシアで民主主義は後退しているのか 第7章 エクアドル民主制のゆくえーー後退からの脱却(宮地隆廣) 1 ラテンアメリカにおける民主制の後退 2 エクアドルにおける民主制の後退 3 民主制の後退からの脱却 4 民主制の後退に対する捉え方 第8章 南アフリカの民主主義の現在地(牧野久美子) 1 南アフリカの民主化と一党優位 2 優位政党としてのANC 3 ANC一党優位の衰退と終焉 4 ポスト一党優位時代の南アフリカの民主主義 第9章 アラビア半島の権威主義国家ーー石油・君主制・移民(松尾昌樹) 1 権威主義国の優等生 2 君主制 3 石油ーーレンティア国家とは何か 4 移民エスノクラシーーー移民を権威主義統治に活用する 第10章 国際的な民主化支援とその激変(市原麻衣子) 1 激変する民主化支援 2 米国による民主化支援の大幅な弱体化 3 他国による民主化支援への期待と現状 4 変化が及ぼす影響 5 今後の展望 コラム1 独裁体制の変貌(東島雅昌) コラム2 韓国の民主化と権威主義の遺産(安周永) コラム3 中国政治と民主化論(小嶋華津子) コラム4 ベネズエラの政治危機(宮地隆廣) コラム5 競争的権威主義の欺瞞を突くモザンビークのZ世代(網中昭世) コラム6 国連と民主化(杉浦功一) 【各章・コラム執筆者】 杉浦功一 文教大学国際学部教授。 梅川葉菜 駒澤大学法学部教授。 溝口修平 法政大学法学部教授。 外山文子 筑波大学人文社会系准教授。 山田裕史 新潟国際情報大学国際学部教授。 増原綾子 亜細亜大学国際関係学部教授。 宮地隆廣 東京大学大学院総合文化研究科教授。 牧野久美子 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員。 松尾昌樹 宇都宮大学国際学部教授。 市原麻衣子 一橋大学大学院法学研究科教授。 東島雅昌 東京大学社会科学研究所教授。 安周永 龍谷大学政策学部教授。 小嶋華津子 慶應義塾大学法学部教授。 網中昭世 アジア経済研究所地域研究センター・アフリカ・ラテンアメリカ研究グループ長。 ===
なぜ米国人はトランプを支持するのか、なぜロシアはウクライナにこだわるのか、なぜイスラエルはイスラーム諸国と対立するのかーー。世界の「なぜ」は宗教で読み解ける。トランプを支える福音派・MAGAカトリック、謎が多いロシア正教、伸張する大イスラエル主義、台頭するインドのヒンドゥー至上主義。宗教が国際政治に与えるダイナミズムについて、各分野の第一人者が論じる。 〈目次〉(講義内容)1限目:なぜいま「宗教」を知る必要があるのか ●宗教は復興しているか、衰退しているか 池内 恵&松本佐保 ●祖先・偶像・自然、日本の「神」は何か 佐伯啓思&森本あんり ●宗教と経営は互いに学び合える 入山章栄 2限目:なぜ米国人はトランプを支持するのか ●米国を変えるカトリック知識人 会田弘継&藤本龍児 ●米大統領選で注目すべき宗教票 松本佐保 ●トランプを支える福音派とキリスト教シオニズム 加藤喜之 3限目:なぜイスラエルとイスラーム諸国は対立するのか ●ガザ戦争とイスラーム主義の今後 保坂修司 ●宗教シオニズムと大イスラエル主義 立山良司 ●「イスラームとジェンダー」はなぜ問題になるか 辻上奈美江 4限目:なぜ欧州のキリスト教が揺らいでいるのか ●ウクライナ侵攻と正教会の地政学 高橋沙奈美 ●バチカンとローマ教皇の外交力 松本佐保 ●フランスライシテから考える政教分離 伊達聖伸 5限目:なぜアジアの宗教はわかりにくいのか ●中国人の宗教は儒教か 川口幸大 ●ダライ・ラマは「転生」する 石濱裕美子 ●ヒンドゥー至上主義とは何か 中溝和弥 ●日本社会を支配する「見えない宗教」 岡本亮輔 【PHP研究所】
経済格差の拡大、排外主義や権威主義の広がり、極右ポピュリズムの台頭ーー。西洋で生まれ、二〇世紀に日本を含め世界中に広がった自由民主主義の理念が、大きく揺らいでいる。選挙で代表を選び、法や議会の下、個人の自由や多様性を尊重するこの原理は、はたして普遍的か。リベラリズムとデモクラシーの起源から、世界大戦による破局を経て、新自由主義、代表制民主主義、フェミニズム、ケアの倫理まで。ときに矛盾を孕みながら世界を覆い、いま大きな苦境に陥る思想の系譜を問う。
巨大テック企業が国家を超える権威を持ち、生成AIの爆発的な発展による混乱が日々起こり、アメリカでは破滅的な思想が影響力を持ちはじめた2020年代。技術発展は本当に世界を良くしているのか? 私たちはどのように未来を構想すべきなのか? 本書では現代の技術をとりまく思想ーー加速主義、プルラリティ、SFプロトタイピングーーを通覧。これらの思想を統合し、効果的・倫理的に考えるための思考「未来学」の在り方を構想する。SF作家でありコンサルタントでもある著者による、未来を創造するための羅針盤。
「頭がいい」とは、いったい何を指す言葉なのか。 成績がいいこと? 仕事ができること? 地頭がいいこと? 空気が読めること? 主体性があること? 私たちは学校から職場、さらには私生活に至るまで、無意識のうちに「頭がいい/悪い」という尺度で人を測り、また自分自身も測られてきました。 いまや、書店には「頭がいい人の○○術」のように、「頭がいい」をタイトルに冠する本が氾濫しています。 この曖昧で便利な言葉が広く使われるようになった背景には、〈能力主義〉の存在があります。 能力主義とは、「能力」を個人の資質や努力の結果とみなし、優れた者が多くを得ることを正当化する考え方です。しかし現実には、運や環境、偶然といった要素までもが「能力」に回収され、「評価に晒され続けること」が当たり前になった社会は、多くの人に生きづらさをもたらしています。 外資系コンサルティングファーム勤務を経て独立した著者は、「頭がいい」という言葉の曖昧さを手がかりに、能力主義が生む生きづらさの構造を解きほぐしていきます。 ■「頭がいい」子に育てたい、という親の願いは正義なのか。 ■「私、頭が悪いので」という前置きに込められた意味とは。 ■「頭がいい」は、本当に〈良い〉ことなのか。 評価に振り回されずに生きるための、ポスト能力主義の思考を提示します。
米国のトランプ再選、欧州での極右政党の勃興、日本人ファースト……今、世界は自国第一主義に回帰し、民主主義が危機に瀕している。「分断」「対立」「排外」の潮流がなぜ生まれたのか。その原因を世界の戦後政治の政策からひもとき、混迷の時代を乗り越える術を提言。
刹那的な感情を煽る「ネット炎上」、真偽不明の「フェイク情報/陰謀論」の拡散は以前から問題視されてきたが、今や政治の世界を覆い、選挙結果を左右するまでになった。米大統領選から参院選まで、注目を集めることに最適化した極端な主張を持つ候補者が支持を得た。既存の政治を破壊するネットの論理とメカニズムとは何か。今後ますますスタンダードになるであろうSNSの暴力と、私たちはいかに対峙すべきか。近年、急激に進む政治とネットの融合を、若き第一人者が問い直す。
ロシアによるウクライナ侵攻、世界的な移民排斥運動、権威主義的国家の台頭、トランプ2.0、そして民主主義制度基盤の崩壊……。 「なぜ世界はここまで急に揺らぎはじめたのか?」。共同通信社を代表する国際ジャーナリストが、混迷する国際政治の謎を解き明かすために、国際政治学者や評論家、政治家や現場を知る実務家へのインタビューを敢行。辿り着いた答とは? プロローグ 「警察官」の退却 第1章 覇者の驕りー「無敵」から「Gゼロ」へ 第2章 「格差」の超大国ーアメリカを蝕む病 第3章 リバンチズムー「大ロシア」再興の野望 第4章 百年国恥 ー中華民族の偉大な復興 第5章 「南」の逆襲ーBRICSの論理と心理 第6章 白人の焦燥ー「人種置換」の世界観 第7章 SNSと情報工作ー民主主義の新たな脅威 第8章 「警察官」の犯罪ー時代遅れの戦後秩序 第9章 逆流する歴史ーよみがえる伝統主義 エピローグ 「19世紀」へ向かう歴史
本書は、社会の仕組みが機能不全に陥った現代アメリカにおいて、過去への回帰を訴えるトランプと技術による未来創造を目指すイーロン・マスクという対照的な「語り手」の台頭と、その共闘の崩壊を分析している。ニューソート思想に端を発する「自己を信じる」倫理が社会に浸透し、「語れる人だけが正しい」社会構造が形成される中で、語れない、語られない人々の存在が不可視化され、その鬱積した怒りが2025年のロサンゼルス暴動として爆発する過程を描き、アメリカ社会が直面する倫理的空白と共通目的の喪失という根本的な課題を浮き彫りにしている。