#文明 の新書一覧

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世界をつくった奴隷の歴史

世界をつくった奴隷の歴史

布留川正博

筑摩書房/2026-08-06

世界史の裏側はこんなにも暗いーー アフリカから一二〇〇万もの黒人が強制連行され売買された大西洋奴隷貿易。ほかにも古代ローマ、イスラーム世界、ブラジルやアメリカ、中国、そして日本を含め、あらゆる文明において奴隷制が存在した。歴史上、奴隷制は一八八八年を最後に廃止されたが、今でも多くの地域に自由を奪われた人々がいる。世界史は、惨たらしい扱いを受けた貧しい奴隷たちの歴史と共に形づくられてきた。強制労働、虐待、性的搾取ーー隠された支配と抵抗の痕跡を辿り、いまなお続く人類史の欺瞞を暴く。 === 【目次】 はじめに 森鴎外『山椒大夫』/奴隷となった安寿と厨子王/厨子王の逃亡/奴隷とは/いま奴隷制を考えることの意味/本書の構成 第一章 古代ローマの奴隷制ーー本格的奴隷制のはじまり 本格的奴隷制のはじまり/古代ローマの政治体制/ローマの軍隊/ポエニ戦争/ローマの支配拡大と奴隷の流入/グラックス兄弟の改革/シチリアにおける奴隷叛乱/剣闘士奴隷スパルタクスの苦悩/スパルタクスの叛乱/カエサルの『ガリア戦記』/家内奴隷/女性の奴隷と解放奴隷/エリート奴隷の存在 第二章 イスラーム世界の奴隷制ーー文明を越えて イスラーム教の誕生/イスラーム世界の拡大と奴隷制/主人と奴隷との関係/アッバース朝カリフとその腹心/黒人奴隷ザンジュの叛乱/奴隷購入のルート/マムルーク/中央アジアのトルコ人/マムルーク朝の誕生/女性奴隷の立場/ハレムと宦官、奴隷少年/サトウキビと砂糖/イスラーム文明とヨーロッパ文明の交流 第三章 ブラジルにおける奴隷制ーー砂糖プランテーションの形成 地中海から大西洋へ/イタリア人の役割/大西洋奴隷貿易の始まり/コロンブスの「新世界」発見/先住民インディオの人口崩壊/アシエント奴隷貿易/ブラジルの発見とパウ・ブラジル貿易/カピタニア制の導入と砂糖プランテーション/先住民の叛乱/総督制のもとでの先住民の奴隷化/黒人奴隷制への移行/砂糖革命 第四章 アメリカ合衆国南部における奴隷制ーー綿花プランテーションの発展 チェサピーク湾沿岸のタバコプランテーション/米作・藍作プランテーション/イギリス綿工業の発展/アメリカ合衆国南部の綿花プランテーションの拡大/「奴隷飼育業」と奴隷制の拡大/奴隷叛乱と解放への道 第五章 中国の宦官ーー皇帝と臣民の媒介者 中国の奴隷制/いかにして宦官となるか/皇帝と宦官の密接な結びつき/明の宦官/鄭和の海外遠征/宦官の学校と王振/究極の奴隷 第六章 日本の奴隷制ーー奴婢から「からゆきさん」まで 奴婢/寛喜の大飢饉と人身売買/倭寇による人間の略奪/戦国時代における乱取り/豊臣時代の日本人奴隷/日本人奴隷とポルトガル商人/ガスパール・フェルナンデス・ハポンの事例/からゆきさん 第七章 現代の奴隷制ーー解放されない人びと 現代の新奴隷制/スィリという少女/コートジボワールのカカオ農園/ブラジルの奴隷制撲滅国家計画/児童婚のリアル/現代奴隷法 終章 世界史のなかの奴隷制 奴隷は商品か/奴隷解放の意味/世界史のなかの奴隷制/尊厳をとりもどすための闘い あとがき

物語 インドの歴史 インダス文明からムガル帝国、現代まで

物語 インドの歴史 インダス文明からムガル帝国、現代まで

堀本武功

中央公論新社/2026-06-22

紀元前2600年のインダス文明を起源とするインド。社会、文化の礎が築かれたのはヴェーダ時代からグプタ朝の間だった。中世にはイスラーム勢力が入り、多数の王朝が乱立し分裂する。16世紀から300年にわたり支配したのはムガル帝国だった。イギリス統治期を経て、ついに1947年に独立。20世紀末からの成長は目覚ましく、世界に存在感を示す。本書は「21世紀の超大国」の、5000年に及ぶ長く複雑な軌跡を描く。 ■目 次■ まえがき  序 章 長い歴史と複雑な社会 第1章 インダス文明から始まるインド史 1 ハラッパー、モヘンジョ・ダロ遺跡の発見 2 未解明のインダス文明 3 インダス文明の衰退 第2章 古代文明の展開 1 ヴェーダ時代 2 仏教・ジャイナ教の成立と発展  3 古代統一王朝の成立  4 クシャーナ朝と南インドの諸王朝  5 グプタ朝ーヒンドゥー教と古典文化の隆盛  コラム アレクサンドロス東征がマウリヤ朝を生み出したのか コラム 文化遺産のアジャンターとエローラ  第3章 中世インド世界 イスラームとの遭遇 1 イスラーム勢力の進出  2 南インドの攻防 バフマニー朝対ヴィジャヤナガル王国  コラム 世界遺産クトゥブ・ミナール  第4章 ムガル帝国の成立と展開 1 初代バーブル帝 ムガル帝国の始祖  2 第三代アクバル帝 実質的な帝国建設者  3 ムガル朝の全盛から衰退へ  4 反ムガル・在地勢力の台頭  5 ムガル帝国の遺産  第5章 英国のインド支配 インドの近代 1 インド航路の開拓と欧州列強のインド進出  2 英国による植民地化と在地勢力の征服  3 一八五七年反乱  4 英領インドの誕生  第6章 独立運動の展開 1 社会改革から始まった独立運動  2 インド国民会議派の誕生  3 第一次世界大戦期以降の独立運動とガンディーの登場  4 可視範囲に入り始めた独立  5 大英帝国の落日と第二次世界大戦  6 第二次世界大戦終結から英国の撤退へ  第7章 独立インド 理念から現実へ 1 憲法の制定 世界で最長の憲法  2 ネルー時代 独立〜一九六四年  3 インディラ・ガンディーの時代 一九六〇年代中頃〜八〇年代 4 一九八〇年代 激動の一〇年  5 九〇年代の枠組み変更  コラム ガンディーの現代史的意味  第8章 日本とインド 1 憧れの国インド  2 明治時代から第二次世界大戦まで  3 第二次世界大戦後の日印関係 両国間のズレと低迷した関係  4 九〇年代に始まった日印パートナー関係  5 これからの日印関係  コラム インパール作戦 終 章 21世紀のインド 1 インドの政治経済状況  2 国際社会におけるインド  あとがき  主要参考文献 関連年表

脳は世界をどう構築しているのか

脳は世界をどう構築しているのか

毛内拡

河出書房新社/2026-05-26

「あなたの脳で何が起きているのか」「脳はどこから来て、どこへ向かおうとしているのか」を、4つの時間スケールを行き来しながら語る。自分の脳をもっと上手に活用したいと願うすべての人におくる一冊! 脳は何を見ているのか? そして、私たちは何を「現実」と呼んでいるのか? 朝の目覚めから夜の眠りまでの24時間を追体験し、 やがて胎児期から老年期に至るまでの人生の旅を歩み、 さらに文明の歴史とともに紡がれてきた脳の歴史をたどる──。 ここに書かれるのは遠い誰かの話ではなく、「あなた自身の脳の物語」である。 【目次】 はじめに 第1章 一日でわかる! 脳が動く24時間 シーン1 目覚めと覚醒 シーン2 朝食と脳のエネルギー供給 シーン3 通勤・通学中の脳の働き シーン4 仕事や学習における集中と注意力 シーン5 意思決定と問題解決の脳内プロセス シーン6 ランチタイムの脳の働きと消化の関係 シーン7 午後のスランプ シーン8 創造性とリラックスの関係 シーン9 夕方の脳 シーン10 運動と脳の活性化 シーン11 夜のリラックスタイム シーン12 睡眠中の脳 ・ 第2章 脳の一生──成長と変化の旅 ステージ1 胎児期 ステージ2 出生 ステージ3 幼児期 ステージ4 児童期 ステージ5 思春期 ステージ6 青年期 ステージ7 成人期 ステージ8 ストレスと脳の変化 ステージ9 加齢とともに変わる脳 ステージ10 シニア期 ステージ11 脳の老化と可塑性 ステージ12 終末期 第3章 脳の進化──文明の夜明けから現在までの歩み エイジ1 農耕革命 エイジ2 言語の発展と抽象思考の基盤 エイジ3 文章の誕生と知識の外部記憶装置 エイジ4 都市文明の形成と環境適応 エイジ5 宗教と信仰の役割 エイジ6 古代文明の発展と知識のシステム化 エイジ7 ギリシャ・ローマ時代 エイジ8 中世 エイジ9 ルネサンス エイジ10 科学革命 エイジ11 啓蒙時代 エイジ12 脳科学の黎明期 第4章 未来の脳科学──限界を超える可能性 ビジョン1 人工意識の創造 ビジョン2 冬眠技術(コールドスリープ)と脳の保護 ビジョン3 テレパシーの現実化 ビジョン4 ロボットと脳の融合 ビジョン5 仮想現実(VR)とメタバースの中の脳 ビジョン6 テーラーメード医療 ビジョン7 脳移植 ビジョン8 分散する脳 ビジョン9 脳と霊的なもの ビジョン10 脳科学と仏教の融合 ビジョン11 拡張された脳と社会 ビジョン12 脳の無限の可能性 おわりに

日本の未来像 地球定常文明のデザイン

日本の未来像 地球定常文明のデザイン

広井良典

岩波書店/2026-03-25

かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称された国は,「失われた30年」を経た今も漂流を続けている.私たちが目指すべきは「経済大国」の再来なのか,それとも新たな社会のかたちなのか.地球規模の視点から,独自のAIシミュレーションも踏まえ,日本の未来像を持続可能世界のビジョンとともに描き出す.

ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

周藤芳幸

岩波書店/2026-03-25

紀元前一七─前一二世紀にギリシアの地で栄え,数々の個性的な土器や巨大な建造物を残して消え去った,謎多きミケーネ文明.ギリシア語の文字体系を持ちながら,なぜ一人の王の名も記さなかったのか.最新の考古学的知見にもとづき,周辺地域との関係,後世の記憶の伝承も含め,失われた地中海世界の姿を鮮やかに描きだす.

東ユーラシア全史 陸海の交易でたどる5000年

東ユーラシア全史 陸海の交易でたどる5000年

上田信

中央公論新社/2025-12-23

電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 広大なユーラシア大陸は中央の乾燥地帯を境に生態環境が二分される。 日本列島を含む東側では古来、遊牧・農耕・海洋の諸文明が興亡。シルクロードほか陸海の路を介して多彩な物産、また宗教・文化が東西を往来した。 ソグド商人やペルシア・アラビア商人の活躍、モンゴル帝国の隆盛と解体、明の鄭和の南海遠征、大航海時代の展開から、欧米列強の極東進出、アジア・太平洋戦争までーー。交易をキーワードに壮大な歴史をたどる。 ■本書の目次 はじめに 序 章 風の中の歴史 1 ユーラシアを吹き抜ける風 2 新たな歴史観 第一章 偏西風アジアでの文明の形成      ーー先史時代から紀元四世紀 1 偏西風アジアの遊牧騎馬文明 2 偏西風アジアの農耕文明 第二章 モンスーンアジアでの文明の形成      ーー先史時代から紀元五世紀 1 モンスーン陸域アジアでの交易 2 モンスーン海域アジアでの交易 第三章 広域交易圏の形成      ーー四世紀から八世紀 1 偏西風アジアでのキャラバン交易 2 モンスーンアジアにおける港市国家連合 第四章 一体化する北と南の交易圏      ーー九世紀から一二世紀 1 北東アジアの新興勢力 2 モンスーン海域アジアの新興勢力 第五章 ユーラシア通商圏の形成      ーー一三世紀 1 新生遊牧帝国の形成 2 モンゴル帝国とモンスーンアジア 第六章 通商圏の変調と再編      ーー一四世紀から一六世紀 1 陸域アジアーーカアンを継ぐ者 2 海域アジアーー海禁・朝貢・密貿易 第七章 信仰、戦争、そして通商      ーー一七世紀から一九世紀前半 1 偏西風アジアーー割拠する諸勢力 2 モンスーンアジアーー新たな参入者 第八章 欧米列強の極東アジア進出      ーー一九世紀 1 ロシアの極東進出 2 イギリスの極東進出 3 自由貿易と地政学 終 章 環球の中の日本      ーー二〇世紀 おわりに あとがき 主要参考文献

日本群島文明史

日本群島文明史

小倉紀蔵

筑摩書房/2025-06-11

日本は群島であり、日本文明は群島文明である。大陸文明的な実体系思考よりも群島文明的な非実体系思考が優勢で、そうした世界観から生命は偶発的なものという感覚や共同主観の構造、革新性をもたらす美意識などが展開され、日本文明が創り出されてきたのだ。そうした日本の歴史的動態を描きつつ、日本の群島文明を形成する東アジアの哲学を「通底哲学」として世界哲学の中に置き直し、より深い文明論として展開する。日本の知の歴史を総合的に理解する、著者独自の日本思想大全。

中華とは何か ーー遊牧民からみた古代中国史

中華とは何か ーー遊牧民からみた古代中国史

松下憲一

筑摩書房/2025-05-09

中華思想は文明の優劣で人々を区別する発想である。文明のある世界を中華とし、その周辺には野蛮な夷狄がいる。そして夷狄は中華に何も残さなかったものだと長らく考えられてきた。しかし注意深く歴史をみていくと、夷狄であるはずの遊牧民はむしろ中華文明の形成に積極的に関わり、新たに持ち込み、主体的に選別し、継承してきたことがわかる。中華文明拡大の要因は、あらゆるものを内部に取り込んで膨張していく性質にある。逆に言えば、気づけば夷狄も中華になっているのだ。本書は、中国史を遊牧民の視点から捉えなおすことにより、中華の本質に迫る一冊である。

インターネット文明

インターネット文明

村井純

岩波書店/2024-09-25

もはや日々の生活のインフラと化したインターネットという科学技術なしに,私たちは生きていくことすらできない.全世界で利用者が50億人を超えたいま,インターネットは,趣味や仕事から医療や安全保障までを包摂するひとつの「文明」と化した.そこにはどのような人類史的な課題や使命があるのか.第一人者が語る.

神なき時代の「終末論」

神なき時代の「終末論」

佐伯啓思

PHP研究所/2024-06-18

しばしばフランス革命は、「自由主義」「社会主義」「保守主義」の三つの思想を生みだしたといわれるが、「保守主義」を欧州に残して、「自由主義」はアメリカへ、「社会主義」はソ連へ引き継がれたと見なしてよいだろう。この両国はその後それらのイデオロギーを世界に普及させることを目指すのだが、そうした志向の根底には『旧約聖書』の終末論が潜んでいた。『旧約聖書』によると、歴史の最終局面では世界は破滅し、その前(後という説もある)に至福のユートピアを迎える。この終末論に基づく歴史観が、「神」が姿を見せない現代においてもアメリカ・ロシアを突き動かしているのだ。本書では文明論の第一人者が、歴史の深部にある『旧約聖書』の影響力、さらには文明の「根源感情」を論じ、現代を捉え直す。巻末には『人新世の「資本論」』の著者斎藤幸平氏との「保守×左派」対談も収録。「どうして日本人はこんなにも資本主義が好きなのか」という問いや、マルクスについての疑問、資本主義に対して半身で構えるための「コモン」などについての議論を展開する。 ●承認欲求がやがて対等願望に ●ユダヤ教の「他民族への優越」が受け継がれた ●歴史の四層の構造 ●「市民的資本主義」と「ユダヤ的資本主義」 ●ヨーロッパの根源感 ●ロシアの「終末への熱狂」 ●支配されるものの知恵ーーイギリスの保守主義とは 【PHP研究所】

福沢諭吉 「一身の独立」から「天下の独立」まで

福沢諭吉 「一身の独立」から「天下の独立」まで

中村敏子

集英社/2024-05-17

幕末から明治にかけて、来たるべき近代国家の在り方を構想した大思想家、福沢諭吉。 既存の研究では、彼の武士としての前半生は、ほとんど重視されてこなかった。 だが、未知の文明の受容と理解を可能にするためには、何らかの器が必要だったはずだ。 本書では、福沢の中で儒学の枠組みと西洋がいかに響き合い、どのような変化がもたらされたかを丹念に描く。 家族や男女関係など「私的領域」を含む社会を見据え、西洋思想の直輸入ではない「自由」と「独立」への道筋を示した、鮮烈な福沢諭吉論の誕生! 【目次】 はじめにーー「議論の本位を定める」(『文明論之概略』第一章) 一、福沢の前半生ーー「一身にして二生を経る」(『文明論之概略』緒言) 二、西洋から学ぶーー「文字は観念の符号」(「福沢全集緒言」) 三、『中津留別の書』ーー「万物の霊」としての人間 四、『学問のすすめ』ーー自由と「一身の独立」 五、『文明論之概略』ーー文明と「一国の独立」 六、「徳」論の変化ーー「主観の自発」か「客観の外見」か 七、男女関係論ーー「一家の独立」 八、理想社会としての「文明の太平」ーー「天下の独立」 引用・参考文献 あとがき

古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

青山 和夫/井上 幸孝/坂井 正人/大平 秀一

講談社/2023-12-14

多くの人が生贄になった!?大河の流域でないと文明は生まれない!?無文字社会にリテラシーは関係ない!?王は絶対的な支配者だった!?-「常識」の嘘を明らかにし、文明が生まれる条件を考える。

古代世界の超技術〈改訂新版〉 あっと驚く「巨石文明」の智慧

古代世界の超技術〈改訂新版〉 あっと驚く「巨石文明」の智慧

志村史夫

講談社/2023-12-13

現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が、自ら体験・実験して読み解く大好評の「技術史ミステリー」最新刊!

福沢諭吉 変貌する肖像

福沢諭吉 変貌する肖像

小川原 正道

筑摩書房/2023-08-07

福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で一九八〇年代半ば以降は一万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。

アフガニスタンの素顔〜「文明の十字路」の肖像〜

アフガニスタンの素顔〜「文明の十字路」の肖像〜

青木健太

光文社/2023-07-20

国際社会を震撼させた「カブール陥落」から2年ーータリバン統治の実態は? 女性の権利は? 和平実現への道筋は? そして日本が果たすべき役割はーー? アフガニスタン政権崩壊が、ロシアによるウクライナ侵攻を間接的に招いたとの見方もある。文明が交錯する場所であるが故に不安定なアフガニスタンは、ユーラシア大陸の連結性のミッシング・リンクとなる。激変するアフガニスタン社会を、中東政治の研究者が詳細にレポート。

日本、中国、朝鮮 古代史の謎を解く

日本、中国、朝鮮 古代史の謎を解く

関裕二

PHP研究所/2023-06-16

中国人と日本人の価値観は、なぜこんなに違うのだろう。縄文人も弥生人も大陸から渡った人々であり、民族形質的には近い。縄文時代に大陸では青銅器が造られていたほど、文明も発達していた。しかし古代日本人は、中国の文明化に恐怖を抱いていたようだ。実は、殷代には象もいた豊かな森が鉄器生産と農耕を推進した結果、秦代にはなくなり遊牧民が馬で侵入できる平原になった。これを見て日本は森を守り、強力な権力を持たない天皇を推戴したのだ。現在、中国の覇権主義によって東アジアは緊張に覆われている。今こそ東アジアの古代史からこの厄介な隣国との付き合い方を学ぶべき時だろう。 ●序章 アジアは一つか? ●第一章 中国文明の本質 ●第二章 日本の神話時代と古代外交 ●第三章 中国の影響力と朝鮮・日本の連動 ●第四章 日本は中国と対等に渡り合おうとしたのか ●第五章 中国の正体と日本の宿命 縄文人は稲作を拒みながら、背に腹はかえられないと、徐々に稲作を受け入れていった。当然弥生時代後期に戦乱が起き、中国の歴史書に「倭国大乱」と記録されたが、三世紀初頭に纏向に人びとが集まり、奇跡的な形で混乱を収拾してみせたのだ。中国のように、敵を圧倒し、殲滅し、共存を拒むという文化は根付かなかった。中国は、一神教的で中国的な「正義の皇帝」に支配され、日本は、「なるべく強くならないように工夫した王(天皇)」を推戴したのだ。この差は大きい。多神教世界の住人である日本人にとって、中国はじつに厄介な存在なのだが、逃げるわけにはいかない。だから、お互いの差を知った上で、どうすれば共存できるのか、模索する必要があるだろう。相容れないからこそ、友になる道を開かなければならない。(本文より) 【PHP研究所】

高地文明ー「もう一つの四大文明」の発見

高地文明ー「もう一つの四大文明」の発見

山本 紀夫

中央公論新社/2021-06-22

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「四大文明」は、ナイルや黄河などの大河のほとりで生まれたとされる。しかし、これら以外にも、独自の文明が開花し、現代の私たちに大きな影響を与えた地がある。それが熱帯高地だ。本書はアンデス、メキシコ、チベット、エチオピアの熱帯高地に生まれ、発展してきた四つの古代文明を紹介。驚くほど精巧な建築物から、環境に根ざした独特な栽培技術や家畜飼育の方法、特色ある宗教まで、知られざる文明の全貌を解き明かす。

古代マヤ文明

古代マヤ文明

鈴木 真太郎

中央公論新社/2020-12-22

碑文が紡ぎ出す王たちの物語、レーザーが発見した道路網・水道網・遺構の数々、人骨が伝える古代人の個人史…王朝の興亡から戦争や移民の実態まで、最新の考古学が解き明かす古代文明の謎。

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