権威主義体制から 民主主義体制まで── リーダーシップは こんなに違う 世界各国の政治的指導者のリーダーシップを見ていくと、大統領制・議院内閣制といった公式的制度に大きな影響を受けていることがわかる。また政治的指導者は自らのパーソナリティに起因する言動を発しているだけでなく、各国の公式的および非公式的な制度によっても支えられていることがわかる。世界の様々な政治体制を比較し各国の固有の状況を描きつつ、近年の権威主義化、大統領制化の動きなどにも着目。世界のリーダーシップの現在を映し出し、今後の変化の行方を探る。 === 【目次】 序章 大統領制と議院内閣制に注目する意味(岩崎正洋) 第1章 アメリカ大統領制の変容ーー厳格な権力分立制から生まれる「強い」大統領(梅川健) 1 アメリカの大統領制はどう規定されているのか 2 大統領制の歴史的発展 3 第二次トランプ政権における変化 第2章 執行権力優位のロシア大統領制(長谷川雄之) 1 世界政治の中のロシア 2 現代ロシアの統治機構ーー二〇二〇年という節目 3 ロシア大統領と補助機関ーー大統領府、安全保障会議、「力の省庁」 第3章 混乱が呼び、混乱を呼んだ首相ボリス・ジョンソン(高安健将) 1 議院内閣制下の首相 2 英国のEU離脱 3 危機に見舞われる首相 4 政権崩壊へ 第4章 フランス「大統領制化」は強い政治リーダーシップを生むのか(吉田徹) 1 「共和的君主」の誕生 2 「超大統領制化」へ 3 政治の融解と再編 4 フランス大統領の存在意義 第5章 ルーマニア半大統領制下のリーダーシップ(藤嶋亮) 1 半大統領制の流行 2 大統領の憲法上の権限 3 大統領の党派的権力 4 リーダーシップの局面 5 大統領のリーダーシップのあり方 第6章 韓国大統領制の逆説ーー強くも脆い権力者(安周永) 1 比較政治からみた韓国大統領制 2 エリート主導型の社会構造と韓国大統領 3 市民の政治参加と韓国大統領制の安定条件 第7章 トルコエルドアンのリーダーシップと制度ーー「一強」の作り方(岩坂将充) 1 政治的リーダーへの注目の増大 2 「一強」への出発点 3 「一強」の確立へ 4 「一強」は盤石か 第8章 シンガポール一党支配体制下での指導者選択(金丸裕志) 1 「大統領制化」時代の政治的リーダーシップ 2 シンガポール人民行動党の一党支配体制 3 高度に「システム化」されたリーダー選出過程 4 大統領制化の時代とシステム化されたリーダーシップ 第9章 ラテンアメリカ諸国における大統領任期の不安定化(磯田沙織) 1 不平等が生み出すカリスマ的指導者 2 大統領の任期が不安定化する制度的な背景 3 大統領のリーダーシップが国会のイニシアティブを凌駕する時 4 国会のイニシアティブが大統領のリーダーシップを凌駕する時ーー大統領弾劾 第10章 一党優位体制のタンザニアにおける大統領の変遷(粒良麻知子) 1 サハラ以南アフリカにおける多様な政治体制 2 タンザニアの大統領制と歴代大統領 3 近年のタンザニア政治 4 タンザニア政治の今後 コラム1 スウェーデンにおける政治的リーダーシップ(清水謙) コラム2 ベルギー連立政権の謎(松尾秀哉) コラム3 台湾総統のリーダーシップと党団協商制度(松本充豊) コラム4 アルゼンチンの「変人」大統領と少数与党政権としての現実(菊池啓一) コラム5 エルサルバドルの選挙DX(笛田千容) コラム6 政治家よりも専門家?(井関竜也) 【各章・コラム執筆者】 梅川健 東京大学法学部教授 長谷川雄之 防衛省防衛研究所主任研究官 高安健将 早稲田大学教育・総合科学学術院教授、成蹊大学名誉教授 吉田徹 同志社大学政策学部教授 藤嶋亮 國學院大學法学部教授 安周永 龍谷大学政策学部教授 岩坂将充 北海学園大学法学部教授 金丸裕志 和洋女子大学国際学部教授 磯田沙織 神田外語大学外国語学部准教授 粒良麻知子 日本貿易振興機構アジア経済研究所副主任調査研究員 清水謙 東海大学政治経済学部特任講師 松本充豊 京都女子大学現代社会学部教授 菊池啓一 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員 笛田千容 駒澤大学総合教育研究部准教授 井関竜也 東京大学社会科学研究所助教
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政党や政党システムから 現代の構造を理解するーー トランプを支えているのも 政党政治である 現代の政治の基本は政党にある。全体主義体制ですら、ナチスやファシスト党が政治の中心にあったが、現在でも民主主義体制であれ権威主義体制であれ、政党政治を見ていくことがその国の政治理解の基本となる。 政党と政党システムがどのように機能しているのかを、日本をはじめアメリカ、ヨーロッパ諸国のさまざまな例とともに、公式および非公式の政治制度と政党システムがいかに関連しているのかを検証。 世界の政党政治のパターンとそこから導き出される政治構造を解明する。 === 【目次】 序章 政党政治をどのように捉えるか(岩崎正洋) 第1章 連合理論で読み解く日本の連立政権ーー自公から自維へ(山本健太郎) 1 日本における連立の組み換え 2 連合理論とは何か 3 自公連立の位置付け 4 自維「連立」と中道改革連合 第2章 トランプ大統領を勢いづけるアメリカ二大政党政治(岡山裕) 1 アメリカの二大政党の特徴 2 民主主義の後退の危機と政党政治 3 分極化・拮抗状況下の政策形成 4 各州の政治とアメリカの民主主義の行方 第3章 ドイツ政党政治の歴史的・構造的変化(安井宏樹) 1 ドイツ政治を見ることの意義 2 戦前の混乱 3 西ドイツ時代の安定 4 統一後の動揺 第4章 イタリアの政党支配体制は終わったのか(伊藤武) 1 政党支配体制の克服としてのイタリア第二共和制 2 第二共和制の政党と政党システム 3 個人政党における政党規律と政党イメージ 4 政党支配体制の終焉と持続の間 第5章 揺らぐイギリス二大政党制(近藤康史) 1 イギリスの二大政党制の歴史と論理 2 イギリス二大政党制の変化 3 変化の効果と要因 4 二大政党制は生き残れるか? 第6章 オランダの分断社会と国民統合ーー多極共存型デモクラシー論から考える(水島治郎) 1 オランダと多極共存型デモクラシー論の展開 2 多極共存型デモクラシーの国際的広がり 3 多様性と包摂のディレンマ 第7章 スウェーデンの選挙と政党政治(渡辺博明) 1 政党政治と制度的条件 2 政党システムの基本構造 3 政党間競合の変化 4 民主政治と政党 第8章 政党組織の収入と支出ーー政党助成を中心に(浅井直哉) 1 政党への公的助成 2 日本における政党助成 3 「経費」か「利益」か 第9章 中欧 政党衰退時代の新政党政治(中田瑞穂) 1 中欧諸国の政党 2 ポーランドーー「法と公正」対市民プラットフォーム 3 ハンガリーーーオルバーンのフィデスとイリベラル・デモクラシー 4 チェコーーヴェイレンス・イシューの政党政治 5 スロヴァキアーーフィツォの「方向」対進歩スロヴァキア 6 政党衰退時代の新政党政治 第10章 社会不満と政治的対立軸(伊崎直志) 1 分断はどこから来たのかーー世界政治の共通状況 2 不平等の経験と社会構造 3 不満はいかに「価値対立」として現れるのかーーGALーTAN軸の構造 4 対立の構図に目を向ける コラム1 政党の組織と政治家のリクルート(網谷龍介) コラム2 政党メンバーシップと政党組織(堤英敬) コラム3 社会の個人化時代における政党組織と政党法制(濱本真輔) コラム4 シンガポールと東アジアの一党支配体制(金丸裕志) コラム5 ラテンアメリカの政党と社会(磯田沙織) コラム6 権威主義体制の政党政治(中井遼) あとがき(岩崎正洋) 【各章・コラム執筆者】 山本健太郎 國學院大學法学部教授 岡山裕 慶應義塾大学法学部教授 安井宏樹 神戸大学大学院法学研究科教授 伊藤武 東京大学大学院総合文化研究科教授 近藤康史 名古屋大学大学院法学研究科教授 水島治郎 千葉大学大学院社会科学研究院教授 渡辺博明 龍谷大学法学部教授 浅井直哉 日本大学法学部准教授 中田瑞穂 明治学院大学国際学部教授 伊崎直志 同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程 網谷龍介 津田塾大学学芸学部教授 堤英敬 香川大学法学部教授 濱本真輔 大阪大学大学院法学研究科教授 金丸裕志 和洋女子大学国際学部教授 磯田沙織 神田外語大学外国語学部准教授 中井遼 東京大学先端科学技術研究センター教授
出入国管理政策の変遷を論じることは、日本社会がどのように外国人を生み出し、処遇してきたのかを描くことにほかならない。 本書は、入管体制の成立、法的地位の変化、「多文化共生」の展開、強化される管理と監視、人種差別や労働力の受け入れなど多岐にわたる論点や課題を扱い、80年の軌跡を確認する。 はじめに 序 章 本書の対象 第1章 入管体制の成立ー1945〜52年 1 アジア・太平洋戦争の終焉と引き揚げ 2 移動と「外国人」の管理 3 非正規の移動とその管理 4 日本の再独立と「外国人」問題の発生 5 まとめ 第2章 「黒船」に至るまでー1952〜81年 1 分断国家と朝鮮人の法的地位ー1952〜65年 2 台湾人・中国人の法的地位ー1952〜72年 3 入管解体闘争とベトナム反戦運動ー1970年代 4 「黒船」とその余波 5 まとめ 第3章 「1990年体制」の成立と展開 1 旧植民地出身者の「在日」化 2 2つの「問題」 3 「1990年体制」 4 「多文化共生」の展開と課題 5 まとめ 第4章 強化される管理と監視ー2000年代 1 「テロとの戦い」と監視技術の向上 2 「不法滞在者」の排除 3 「望ましい外国人」の模索 4 新しい在留管理制度の成立 5 まとめ 第5章 人種差別と出入国管理政策ー2010年代 1 「日本型排外主義」と対抗運動 2 「日本型排外主義」と出入国管理政策 3 国籍法と出入国管理 4 重国籍者をめぐる社会と制度 5 まとめ 第6章 労働力の受け入れー2020年代 1 人口減少と外国人労働力への依存 2 技能実習制度の転換 3 非正規滞在者と収容・送還 4 まとめ 終 章 これからの選択 1 新型コロナと入国規制 2 入管政策の今後 あとがき 主要参考文献 入管法などの変遷 入管法の改廃(1997〜2024年)
1979年にホメイニー師を中心とした革命で発足したイラン・イスラーム共和国。シーア派の理論に基づいた体制を敷き、中東でも反アメリカ、反イスラエルの急先鋒として存在感を示す。国際的に孤立しようとも核開発を進めて独自の道を歩むが、ここに至るには東西冷戦や中東での覇権争いなど複雑な歴史があった。本書は革命以後の軌跡を政治・経済・社会の側面から迫る。混迷する国際情勢の中、イランはどこへ向かうのか。 ■目 次■ はじめに 序 章 近代国家建設と東西冷戦構造 1 パフラヴィー朝の成立と近代国家への道 2 モハンマド=レザー・シャーの専制政治と白色革命 3 反王政運動と王の国外退去 コラム1 在外イラン人学生の運動 第1章 ホメイニー体制と革命勢力の角逐 1 ホメイニー師の帰還と革命の達成 2 バーザルガーン暫定政府と憲法制定 3 イスラーム共和国体制と大統領選挙 コラム2 反西洋とファストフード 第2章 イラン・イラク戦争とイスラーム共和体制 1 押しつけられた戦争と「法学者の統治」 2 広がる戦火と「コントラ事件」 3 戦争の終結と新たな体制の模索 コラム3 亡命者とテヘランゼルス 第3章 ハーメネイー体制と政治的自由 1 新体制と戦後復興 ラフサンジャーニー政権(一九八九〜九七) 2 体制の変容と政治的自由 ハータミー政権(一九九七〜二〇〇五) 3 体制の問い直しと宗教実践の多義性 コラム4 レスリングとサッカー 第4章 新保守派の台頭と「緑の運動」 1 国際関係の緊張とアフマディーネジャード政権(二〇〇五〜一三) 2 国際的孤立と「緑の運動」 3 市民生活の変容と核開発問題 コラム5 科学者と頭脳流出 第5章 防衛戦略と核問題 1 革命防衛隊の社会への浸透 2 革命防衛隊とロウハーニー政権(二〇一三〜二一) 3 核問題の解決と中東情勢の変化 コラム6 日本とイランの国交一〇〇年 終 章 暗雲垂れ込めるイスラーム共和体制の未来 1 ライースィー政権(二〇二一〜二四年)への期待と終焉 2 急変する国際情勢とペゼシュキヤーン政権の発足 3 イスラーム共和体制の未来 あとがき 主要参考文献 関連年表
国際法を無視してウクライナへの全面侵攻を始めたロシア。 兵士の大動員を行い、西側諸国から経済制裁を受けるも、国民はプーチン大統領を支持し続ける。 地方政府や大企業、メディアを意のままに動かし、選挙や政党まで操作する絶大な権力をプーチンはいかに獲得したのか。 ソ連崩壊からの歴史を繙き、統治機構、選挙、中央と地方の関係、治安機関、経済、市民社会の6つの観点から権威主義体制の内幕に迫る。 ■ 目 次 ■ はじめに 第1章 混乱から強権的統治へーーペレストロイカ以降の歴史 1 ペレストロイカとソ連解体、混乱のエリツィン時代へ 1985〜99年 2 プーチンの大統領就任、タンデム支配へ 2000〜12年 3 プーチン再登板からウクライナ戦争へ 2012〜24年 4 本書の視角 第2章 大統領・連邦議会・首相ーー準大統領制の制度的基盤 1 ソ連時代の遺産と準大統領制の成立 2 エリツィン時代の対立からプーチン時代の支配の確立へ 3 大統領の任期とプーチンの後継者問題 第3章 政党と選挙ーー政党制の支配と選挙操作 1 エリツィン体制下の支配政党の不在 2 統一ロシアと政党制の支配 3 バラエティ豊かな選挙操作 第4章 中央地方関係ーー広大な多民族国家の統治 1 強力な地方エリートと非対称な連邦制 2 プーチンの登場と垂直的権力の強化 3 2010年代の展開と地方への押し付け 第5章 法執行機関ーー独裁を可能にする力の源泉 1 プーチン体制を支えるシロヴィキたち 2 権威主義的な法律主義 3 市民の生活と法執行機関 第6章 政治と経済ーー資源依存の経済と国家 1 オリガルヒの誕生と政治への介入 2 集権的ネットワークの確立 3 ロシアの市民と経済 第7章 市民社会とメディアーー市民を体制に取り込む技術 1 ロシア市民の政治観 2 市民社会の抑圧と抱き込み 3 メディアの支配とプロパガンダ 終 章 プーチン権威主義体制を内側から見る あとがき 主要参考文献
ウクライナへの軍事侵攻開始後わずか25時間で結成された反戦運動の最大勢力「フェミニスト反戦レジスタンス」をはじめ、ロシアにおける女たちの反戦・反体制運動はさまざまな形で存在してきたが、日本ではあまり知られていない。帝政時代からロシア革命、スターリン時代の大テロル、ペレストロイカを経て現在のプーチン政権に至るまで、著名な作家・詩人・活動家・ジャーナリストから無名の市民まで、女たちはずっと声をあげて闘ってきた。本書は、公式の歴史の中では埋もれてきた「もう一つのロシア史」を浮かび上がらせる試みである。
「裏金」がばらまかれ、言論を封圧し、縁故主義による仲間内資本主義(クローニーキャピタリズム)がはびこる日本社会。民主主義を破壊し、国際競争力を低下させ、経済の衰退を招いた「2015年体制」とは。負のらせん状階段を下り続ける、この国の悪弊を断つ。
中国の魔手は、もうそこまで忍び寄っている! 習近平体制が確立して以降、中国は「戦狼外交」と呼ばれる超攻撃的な外交を繰り広げてきた。アメリカをはじめとする西側国家を舌鋒鋭く批判し、日本などの周辺諸国に対しては軍事力をちらつかせながら恫喝する……。こうした中国の外交姿勢は、当初、「口先だけ」と思われていた。 しかし、これはけっしてハッタリではなかった。いつの間にか、中国政府の魔手は私たちの周辺に張り巡らされていたのである。 ウィーン条約を無視して、大使館以外の在外拠点を勝手に日本に開設。その中には秘密警察の「派出所」として機能している拠点もある。そこでは、大陸を逃れてきた反体制派中国人の監視や脅迫、留学生からの情報収集、さらにはスパイ行為などがおこなわれているのである。 著者は日本国内に開設された中国秘密警察の拠点を特定。体当たり取材を試みた。さらに、日本に逃亡中の反体制活動家にインタビューすることにも成功。彼らが日本国内においても中国当局の尾行や監視にさらされている現実を、生々しい脅迫エピソードとともに聞き出している。 また、SNSを駆使して日本で公然とフェイクニュースを拡散し、「認知戦」を繰り広げる大阪総領事・薛剣にもインタビュー。中国共産党が日本においてどのような宣伝工作を繰り広げているのかを、緻密な取材で解き明かす。 地を這う取材に徹してきた筆者。その取材で明らかになってきたのは、「中国はマジで危険な国家になった。それは長年中国ウォッチャーをしてきた自分の想像をはるかに超えている」(筆者の言葉)である。 観念論先行の中国批判本とは一線を画する作品である。
二百六十五年の平和ーーその体制を徳川家康がつくり上げることができたのは、波瀾万丈の人生と、天下人織田信長・豊臣秀吉の「失敗」より得た学びがあったからだった……。しかし盤石と思われたその体制は、彼の後継者たちによって徐々に崩され、幕末、ついに崩壊する。なぜ、徳川政権は消えてしまったのか? 薩長による明治維新は最後のトドメにすぎない。家康の想定を超えて「誤算」が生じ、徳川政権が滅んでしまったウラ事情をわかりやすく解説! そして、家康が「日本のつくり」に与えた影響とはーー。 ●第一章 家康はなぜ、幕藩体制を創ることができたのか ●第二章 江戸時代、誰が「神君の仕組み」を崩したのか ●第三章 幕末、「神君の仕組み」はかくして崩壊した ●第四章 「神君の仕組み」を破壊した人々が創った近代日本とは ●第五章 家康から考える「日本人というもの」 【PHP研究所】
ウクライナへの全面侵攻で世界に衝撃を与えたロシア。なぜ国際法を無視し、蛮行を続けるのか?その背景には、ソ連時代に国家の根幹を掌握し、かつてプーチンも所属した諜報機関「KGB」と、ロシア連邦でそれを継承した「FSB」がある。ウクライナで近年公開されたKGBの極秘文書、反体制派やハッカーによるリーク情報、最新のインテリジェンス研究から、「諜報国家」ロシアの社会構造と行動原理に迫る。
日本国憲法の枠組みの中にある戦後日本政治。自民党と社会党のイデオロギー対立は1960年の安保改定問題で頂点を迎える。以降、自民党は経済成長に専心し、一党支配を盤石にした。80年代末以降は「改革」が争点となるも、民主党政権を経て、第二次安倍政権以降は再び巨大与党と中小野党が防衛問題を主な争点として対峙している。本書は憲法をめぐる対立に着目して戦後政治をたどり、日本政治の現在地を見極める。
中国が権威主義体制のもと、いちはやく「コロナ封じ込め」に成功したことは、日本で民主主義体制への懐疑さえ生じさせた。だが、中国の本質は「上に政策あれば下に対策あり」と言われる「デマ大国」であり、ゲテモノ食一つすら取り締まれない。宿年の課題を克服するためのツールが、本書が検証するデジタル・監視・大動員なのだ。習近平体制のもと「健康帝国」へと突き進む中国の深層を、気鋭のジャーナリストが探る。
前著『新しい労働社会』で著者が提起した「ジョブ型」という言葉は広く使われるに至ったが、今や似ても似つかぬジョブ型論がはびこっている。ジョブ型とは何か、改めて説明した上で、ジョブ型とメンバーシップ型の対比を用いて、日本の雇用システムの隠された問題点を浮かび上がらせる。著者の分析枠組みの切れ味が冴える!
約三〇年前、ソ連・東欧の社会主義政治体制は崩壊した。議会制=ソヴェト制の外観の下、一党制または事実上の単一政党制を採用していた国々は、複数政党制を前提とする新しい政治体制への転換を迫られた。以来現在まで、これらの国々では幾度となく政治体制の変更が行われ、それは時に暴力を伴う。この政治体制のダイナミックな変化を理解する鍵となるのが、ポスト社会主義圏に多く見られる「準大統領制」というシステムである。地政学的対立とポピュリズムに翻弄されたソ連崩壊後の三〇年を、大統領・議会・首相の関係から読み解く。
日本の敵というのは、中国である。その中国という国は、ウイグル族という国内の少数民族を徹底的に弾圧し絶滅させようとしている。そのうえチベットでも、古くからの文化を滅ぼしてしまおうと圧力を加えている。アジアの地政学上の条件を勘案すれば、日本は近くの大国である中国とロシアに対し、常に戦う体制をとり続ける必要がある。冷戦後、国際社会を維持してきた「アメリカと中国による国際社会」という枠組みは、終わりを迎えつつある。中国の不法行為によって香港は独立した民主主義体制を否定され、中国共産主義体制の一部になってしまった。民主主義の大国アメリカは、自由の行き過ぎから国内情勢が大混乱に陥り、指導国としての能力を失いつつある。世界が破滅の淵から引き返すにはまず、中国の不法な行為をやめさせなければならない。第二次大戦に敗れたあと、国際社会から消え去っている日本に、経済力にふさわしい責任を全うする決意を促す。 【PHP研究所】
教皇、皇帝、国王、貴族という一握りの特権階級が支配者だった頃のヨーロッパ。人々は「人殺し」に明け暮れていた。彼らの日常は「戦争」とは異なる、単なる殺し合い。平和は束の間の安らぎにすぎなかった。血に飢えたライオンよりも野蛮な世界である。この「国」という概念すらない16世紀に生まれながら、「戦争にも掟(ルール)がある」という英知を著す信じ難い学者がいた。その名もフーゴー・グロティウス。彼の思想はのちにウェストファリア体制として実り、国際法の原型となる。天才グロティウスが混沌のなかに見出した「法」を日本一わかりやすく読み解く。なぜ日本人が『ウェストファリア体制』を学ぶべきか。第一の理由は、『ウェストファリア体制』が日本人が野蛮な世界で生き残るのに必要な武器だから。第二は、この掟(ルール)が日本人の手によって全人類が守るべき文明の法となったからである。この事実を知らないことが日本の罪なのである。 【PHP研究所】
関ヶ原の決戦を制した徳川家康は征夷大将軍となり、江戸幕府を開いた。その職をわずか二年で秀忠に譲るが、駿府城に移ったのちも実権を掌握。多彩なブレーンを活用して、御三家の創設、諸大名や朝廷の統制、対外関係の再構築など、政権基盤の強化に努めた。他方では最大の脅威である豊臣家を滅亡へと追い込んでいく。大坂の陣終結の翌年に没するまで十一年にわたった大御所政治を辿り、幕藩体制成立の過程を明らかにする。
【秦は「ベンチャー的体質」ゆえに中華統一できた】初の中華統一を成し遂げた秦は、もともと「田舎の小国」に過ぎなかった。しかし、既得権者も少数だったため、リーダーが「抵抗勢力」を封じ込めることができた。「技術革新」にいち早く対応し、新たな社会体制を構築できたのだ。一方の六国は、フットワークが重く、テクノロジーがもたらす「新しい秩序」に背を向けたことで、秦に敗れた。【法家は歴代帝国に引き継がれた】秦が社会体制変革を行なう際に、理論的支柱となったのが「法家」の思想だった。これにより、国内の全リソースを「君主」一人が管理・収奪するシステムを作り上げる。秦の滅亡後も、法家は形を変え、歴代国家に引き継がれた。結果、人類史上、中国大陸でだけ、繰り返し統一帝国が興ることとなった。中国大陸の帝国が、広大な領土を中央から一律に支配し続けたのは、「始皇帝の遺産」を引き継いだからなのだ。そして、法家は現代中国でよみがえりつつあるように見える。【『キングダム』で通奏低音のように流れる法家】原泰久氏の漫画『キングダム』では、法家改革後の秦と、旧式の社会体制である六国の対比が見事に描かれている。本書では、『キングダム』という物語に流れる地下水脈を、25点もの名場面を引用しながら縦横に解説する。