戦後、日米政府間で誰にも知られず交わされた密約。 政府首脳だけが把握し、日米安保のかげで、両国間の構造に深く組み込まれてきた。 1米兵の裁判権放棄、2日本への核持ち込み、3基地からの米軍の自由な出撃、4沖縄への核持ち込みという四つの密約の正体とは何か。 なぜ密約が生まれ、日本に何をもたらしたか。 米国側の史料・新事実を踏まえ、裏交渉の全容を解明。 ヴェールを剥ぎとり、対米依存の真相に光を当てる。 【目次】 まえがき 序 章 なぜ密約が交わされてきたのか 「表」の条約・「裏」の密約 密約とは何か なぜ密約は問題になるのか 本書の目的と方法 本書の構成 第1章 なぜ米兵を裁けないのかーー刑事裁判権放棄密約の実態 1 刑事裁判権の原理 旗国法原理 領域主権論 NATO軍地位協定 2 日米行政協定の改定 日米の主張 交渉開始 解決の糸口 津田陳述 3 密約の成立 津田陳述の密約性 オランダ方式・ドイツ方式 密約の実務 4 密約の検証 津田陳述の非公表性 統計データによる起訴率 オランダ・ドイツの裁判権放棄事例 刑事裁判権放棄の透明性の確保 第2章 日本への核持ち込みーー一九六〇年核持ち込み密約 1 米国の核政策・日本の非核政策 米国の核保有数の急増 アイゼンハワー政権のニュールック政策 NCND政策 重光・アリソン口頭了解 2 安保改定の舞台裏 岸首相の訪米(1957年6月) 藤山外相の訪米(1958年9月) 米国の核戦略 フォーミュラ案 3 秘密交渉の内幕 岸・ハーター交換公文 フォーミュラをめぐる日米交渉 藤山外相の口頭了解 秘密了解をめぐる攻防 日本側の譲歩 「討議の記録」 4 対米依存構造 密約調査と外務省報告書 「東郷メモ」 非核二・五原則 核持ち込み密約 第3章 米軍が自由に出撃するためにーー一九六〇年朝鮮議事録 1 国連軍と日本 「国連軍」の創設 「吉田・アチソン交換公文」 国連軍と戦闘作戦行動 2 国連軍と事前協議制度 「吉田・アチソン交換公文」の効力 日本案の内容 日本案への反応 統合参謀本部(JCS)の意見 朝鮮半島有事における例外規定 3 密約締結の真相 朝鮮半島有事の検討と米側の要請 日本側の対応 「好意的考慮案」 表向きと裏の取り決めの二重構造 4 朝鮮議事録 吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文 朝鮮議事録 朝鮮議事録への署名 「事前協議なき出撃」 事前協議制度の形骸化 第4章 沖縄返還と基地の自由使用ーー朝鮮議事録の行方 1 沖縄返還への道のり 「潜在主権」 ブルースカイ政策 ハルペリンとスナイダー 密使・若泉敬 佐藤・ジョンソン会談(1967年11月) 2 沖縄返還の対処方針 「核抜き・本土並み」 ニクソン政権下のNSC NSSM5号 NSDM13号 3 作戦使用と事前協議 愛知・ロジャーズ会談(1969年6月) 共同声明抜粋案と総理の一方的発言案 米側共同声明案 韓国・台湾・ベトナム 4 共同声明・総理の一方的発言 安保条約の原則 韓国条項 台湾条項 ベトナム条項 朝鮮議事録の存続 第5章 沖縄への核持ち込みーー一九六九年沖縄核持ち込み密約 1 沖縄返還交渉と核問題 日米の立場 第二次日本案 苦悩する佐藤首相 「会談録」 日本側最終打合せ 2 密使・若泉敬の再起用 政治的ホットライン 佐藤首相の曖昧な返答 繊維問題 スタンズ・ペーパー ホイーラー・ペーパー 3 核抜き交渉 佐藤首相案と若泉案 手続きに関する申し合わせ(シナリオ) 「核抜き」合意 4 核と繊維 合意議事録草案 草案の確定 合意議事録への署名 難航する繊維問題 軍部の説得 終 章 密約が交わされる構造と深層 密約の特徴 密約の残した影響 密約が明らかにした課題 密約の教訓 日米密約の根源 あとがき / 密約資料 / 参考資料 日米密約史 関連年表
#交渉 の新書一覧
二〇〇〇年に日朝国交促進国民協会が発足し、二〇〇二年には小泉首相が訪朝。金正日委員長と会談し、日朝平壌宣言を発表した。国交樹立は目前に迫ったと思われた。しかしその後数年のうちに交渉は決裂、いまや日朝関係は完全な断絶状態に陥っている。歴代の首相や外交官が試みた交渉はなぜ頓挫したのか。両国が再び歩み寄る手がかりはあるか。国交交渉が始まった一九九一年にさかのぼり、膨大な資料と交渉の鍵を握った当事者たちの貴重な証言から、失敗の背景を徹底検証する。
2022年5月は沖縄が日本に返還されて50年。共同通信社の記者時代から沖縄の取材を続けてきた著者は退社した19年7月以降、ここ数年に相次いで解禁された日米の機密文書を渉猟し、これまでの返還交渉についての世間の常識や通説と大きく食い違う証言や事実に数多く遭遇してきた。そして、この返還交渉こそが、いまのこの国の在り様、あるいは日米関係の原点であることに気づく。新史料を交えて考察するこの国の姿と未来。
雪解けが近づいたこともあった。しかし現在、ロシアとの交渉には冷たい氷の壁が立ちふさがり、「固有の領土」はまた遠ざかってしまった。戦後、歴代総理や官僚たちが使命感のために、政治的レガシーのために、あるいは野心や功名心に突き動かされて、この困難に挑み続けてきた。そして、ゆっくりとであっても前進していた交渉は、安倍対露外交で明らかに後退してしまったのだ。その舞台裏で何が起こっていたのか。国家の根幹をなす北方領土問題を、当時のインサイダー情報も交えて子細に辿りながら、外交交渉の要諦を抽出する。
国益を懸けた交渉、政策決定の裏にはつねにインテリジェンス(諜報・情報活動)がある。情報と報道のプロフェッショナルはどの点に着目して収集と分析、判断を行なっているのか。ロシアとの北方領土交渉の真相、新型コロナ禍を機に広がる中国の覇権主義への対処。アメリカの分断と混乱、イギリスのブレグジットとEUの展望。日本を守り、強くするための教育。いまこそ世界史の蓄積のなかに英知を求め、21世紀を生き抜くための賢慮(Wisdom)を導き出さなければならない。歴史に鑑みて時事を照らし、教養を実務に生かす極意を二人の知者が明らかにする。 ●第1章 北方領土交渉の危機 ●第2章 国際情報戦の要諦 ●第3章 イギリスとEUの確執 ●第4章 アメリカの混乱と日本外交 ●第5章 この国の未来を教育に託す 【PHP研究所】
社会で真に求められるのは、論理的思考力を活用して考察し、口頭や記述で表現できる人材である。しかし「国語」の教育は受けたはずなのに、報告書が書けない、交渉も分析もできないという社会人は多い。これまで有名企業や日本サッカー協会などで「言語技術」を指導してきた著者が、社会に出てから使える本当の言語力=世界基準のコミュニケーション能力を身につけるためのメソッドを具体的に提示。学生・ビジネスパーソン必読の一冊!
「交渉」というと難しく感じるかもしれないが、要は「話をまとめる力」だ。(中略)何か達成したい目標がある時、相手を説得し、対立する意見をまとめていく交渉力の有無が、結果を左右する。どんな職種・役職であれ、何かを成し遂げるために必須となるのが交渉力だ。ーー「はじめに」より 38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長となり、百戦錬磨の年上の部下たちをまとめ上げ、大阪の改革を断行した著者。その「実行力」の裏側にあったのは、弁護士時代から培われた、たぐいまれなる「交渉力」だった。同じ話し合いでも、伝え方や考え方を変えれば、結果はがらりと変わる。本書では、人を動かし、人に強くなるための「交渉思考」の極意を全公開。数々の修羅場をくぐりぬけてきた著者が「僕の30年の集大成」と言う本書。橋下徹が初めて明かす、超・実践的交渉術。 〈目次より抜粋〉●第1章 「最強の交渉術」とは?ーー交渉に勝つための原則を知る ●第2章 交渉は始まる前に9割決まるーー修羅場から体得した「橋下流交渉術」の極意 ●第3章 要素に分解すれば、交渉は成功するーー交渉の成否を決める分岐点 ●第4章 前代未聞の交渉を成立させた秘訣ーー目標を成し遂げるために、いつ何をすべきか ●第5章 「力」を使い「利益」を与えるーー公明党、国とのガチンコ交渉の舞台裏 ●第6章 トップの「実践的ケンカ交渉術」に学べーー日本の交渉力を高めるために 【PHP研究所】
沖縄復帰はなぜ実現し、北方領土交渉はなぜ難航しているのか。本書ではまず沖縄復帰までの道筋を、二人の人物によって読み解く。外務省アメリカ局長で「表の交渉」を務めた東郷文彦氏(著者の父)と、いわゆる「沖縄密約」交渉を行なった佐藤総理の密使、若泉敬氏である。二人には共通する思いとして「沖縄愛国心」と「醒めた現実主義」があった。北方領土交渉に携わった著者は、「北方領土愛国心」の余りの強さが、「醒めた現実主義」を曇らせていった過程を、痛惜の念を持って振り返る。二つの返還交渉に携わった人たちの思想と行動を、独自の視座から分析。元外務省主任分析官・佐藤優氏も推薦! 「北方領土と沖縄について知るための最良の書」。佐藤氏による解説も収録。 ●「大先輩」若泉敬と沖縄返還交渉 ●「極秘合意議事録」をどのように理解すればいいか? ●コズイレフ秘密提案:かつてない譲歩を拒んだ日本 ●安倍・プーチンは最後の北方領土交渉か?
冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した1990年代の平和活動を指揮した日本人がいた。もっとも困難な立場に立たされた交渉人ー-明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか? バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、1年間にわたって連続インタビューを敢行。誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る!【集英社新書『「独裁者」との交渉術』改題】【目次】本書の読者のために(木村元彦)/第一章 反抗児/第二章 初の日本人国連職員/第三章 国連的アプローチ/第四章 文民統制/第五章 カンボジアPKO(一)/第六章 カンボジアPKO(二)/第七章 ボスニア/第八章 人を見る目/第九章 食事術/第十章 スリランカ問題/第十一章 スリランカ和平調停の裏側/終章 職業としての交渉者/インタビューを終えて(木村元彦)/あとがき(明石康)/カンボジアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/旧ユーゴスラビアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/スリランカ和平調停関連資料(略年表・主要人物・地図)/用語解説
国際交渉の「陰の立役者」が 舞台裏を生々しく語る 決裂必至の国際会議で合意をつくる根回し術とは? 相手国を満足させ自国の利益にもなる落としどころはどう探る? 日本外交の強みと弱みとは? コソボ軍事紛争調停から名古屋議定書まで、世界の修羅場をくぐりぬけ独自の交渉スタイルを確立した著者が、メディアでは報道されない国際交渉の舞台裏を紹介し、より尊敬される日本への道筋を提言する。
外交のプロたちは、交渉に臨むビジネスマンにとって最高の教師である。要求を突きつけ、相手を説き伏せ、国益を守る彼らは、熾烈な戦いに勝つためのテクニックや戦略、言葉を持っている。説得力を失うNGワード、非常識な相手との付き合い方、ナメられる交渉者の特徴、「交渉決裂」をどう表現するか……。日経新聞で長年外交・安全保障を担当してきた記者が、巧妙で周到な「プロの交渉術」を紹介する。
交渉は、若者が世の中を動かすための必須スキル 本書は、私がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「交渉の授業」を一冊に凝縮したものです。いくら自分の力で決断できるようになっても、いくら高い能力や志を持っていても、世の中を動かすためには自分一人の力ではとても足りません。共に戦う「仲間」を探し出し、連携して、大きな流れを生み出していかなければならない。そこで必要となるのが、相手と自分、お互いの利害を分析し、調整することで合意を目指す交渉の考え方です。交渉とは、単なるビジネススキルではありません。ときには敵対する相手とも手を組み、共通の目的のために具体的なアクションを起こしていくーそのための思考法なのです。さあ、「交渉思考」を手に、この閉塞した日本の状況を一緒に変えていきましょう。
二人以上の人間が、未来のことがらについて、話し合いで取り決めを交わすことー「交渉」をそう定義するなら、身の回りの問題から国際関係まで、使われる場面はとても多い。本書が扱う「交渉学」とは分野にしばられず、交渉にあたってのフレームワークを築き、当事者全員にメリットが出ることを目指すものだ。小手先のテクニックに終始しない、その基本的考え方と方法、そして社会的意義をわかりやすく解説する。