トランプ再来で揺れる世界を見通すための、日米近現代史 アメリカという国を、われわれ日本人はどう考えればいいのか。好きか嫌いか、親米か反米かーー。そんな単純な二分法では、日米関係の本質は見えてこない。アメリカは、日本にとって切っても切れない存在である。安全保障、外交、経済、そして戦後日本のあり方まで、アメリカとの関係を抜きにして語ることはできない。にもかかわらず、日本人は意外なほどアメリカのことを知らない。 建国神話、ワシントン、モンロー主義、リンカーン、ペリー来航、日米の蜜月、二つの世界大戦、GHQ、朝鮮戦争、冷戦、湾岸戦争、ブッシュ、クリントン、オバマーー。日本人が学校で習い、何となく信じている「アメリカ史」「日米関係史」は、どこまで本当なのか。 本書が描くのは、極端に美化されたアメリカでも、悪魔化されたアメリカでもない。「バカ」「ヘタレ」「でも、やるときはやる」ーーこの三つの視点から、アメリカという国の行動原理と歴史のパターンを読み解き、日本人の対米コンプレックスを解きほぐしていく。 アメリカは最初から世界最強の大国だったわけではない。むしろ、その歴史は、弱さ、失敗、強烈な自己正当化、そしていざというときの底力の積み重ねでもあった。だからこそ、アメリカの「建前」ではなく「本音」と「癖」を知ることが、日本の外交と安全保障を考えるうえで欠かせない。 増補版では、トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加。アメリカは再びどこへ向かうのか。そして日本は、そのアメリカとどう向き合うべきなのか。その歴史を知らずに、日米関係は語れない。倉山満が近現代史から現在を読み解く、「嘘だらけ」シリーズの増補決定版。
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大東亜戦争の「失敗の本質」とは? 先の大戦は、太平洋での日米戦争だけを見ていても理解できない。中国大陸での日中戦争、東南アジアでの日英戦争、満州・千島列島などでの日ソ戦争、これらを複合的に捉える必要がある。日本が米英中ソという大国を敵に回してしまった背景には、日中戦争の終わらせ方に問題があったーー。終戦史研究の第一人者が、複合戦争としての大東亜戦争から日本の「失敗の本質」を読み解く。日本が陥った「4つの戦争」とは何だったのか? ●日中戦争:ゲリラ戦や謀略・和平工作が絡む泥沼戦 ●日米戦争:海空軍の戦力が問われる太平洋の島嶼戦 ●日英戦争:アジアの運命を変えた北ビルマの山岳戦 ●日ソ戦争:苦難の大逃避行を強いた大義なき満洲戦 【目次】●はじめに:なぜ「複合戦争」なのか ●第一章:日中戦争から日米戦争へ ●第二章:日中戦争から日英戦争へ ●第三章:日本の戦争計画ーーいかに収拾するか ●第四章:日米戦争ーー戦略と政略 ●第五章:ビルマ戦争ーー最後の日英戦争 ●第六章:後期日中戦争 ●第七章:日ソ戦争ーー終戦後の戦い ●終章:「複合戦争」の遺産 ●おわりに:戦争の「多面性」 【PHP研究所】
戦後、日米政府間で誰にも知られず交わされた密約。 政府首脳だけが把握し、日米安保のかげで、両国間の構造に深く組み込まれてきた。 1米兵の裁判権放棄、2日本への核持ち込み、3基地からの米軍の自由な出撃、4沖縄への核持ち込みという四つの密約の正体とは何か。 なぜ密約が生まれ、日本に何をもたらしたか。 米国側の史料・新事実を踏まえ、裏交渉の全容を解明。 ヴェールを剥ぎとり、対米依存の真相に光を当てる。 【目次】 まえがき 序 章 なぜ密約が交わされてきたのか 「表」の条約・「裏」の密約 密約とは何か なぜ密約は問題になるのか 本書の目的と方法 本書の構成 第1章 なぜ米兵を裁けないのかーー刑事裁判権放棄密約の実態 1 刑事裁判権の原理 旗国法原理 領域主権論 NATO軍地位協定 2 日米行政協定の改定 日米の主張 交渉開始 解決の糸口 津田陳述 3 密約の成立 津田陳述の密約性 オランダ方式・ドイツ方式 密約の実務 4 密約の検証 津田陳述の非公表性 統計データによる起訴率 オランダ・ドイツの裁判権放棄事例 刑事裁判権放棄の透明性の確保 第2章 日本への核持ち込みーー一九六〇年核持ち込み密約 1 米国の核政策・日本の非核政策 米国の核保有数の急増 アイゼンハワー政権のニュールック政策 NCND政策 重光・アリソン口頭了解 2 安保改定の舞台裏 岸首相の訪米(1957年6月) 藤山外相の訪米(1958年9月) 米国の核戦略 フォーミュラ案 3 秘密交渉の内幕 岸・ハーター交換公文 フォーミュラをめぐる日米交渉 藤山外相の口頭了解 秘密了解をめぐる攻防 日本側の譲歩 「討議の記録」 4 対米依存構造 密約調査と外務省報告書 「東郷メモ」 非核二・五原則 核持ち込み密約 第3章 米軍が自由に出撃するためにーー一九六〇年朝鮮議事録 1 国連軍と日本 「国連軍」の創設 「吉田・アチソン交換公文」 国連軍と戦闘作戦行動 2 国連軍と事前協議制度 「吉田・アチソン交換公文」の効力 日本案の内容 日本案への反応 統合参謀本部(JCS)の意見 朝鮮半島有事における例外規定 3 密約締結の真相 朝鮮半島有事の検討と米側の要請 日本側の対応 「好意的考慮案」 表向きと裏の取り決めの二重構造 4 朝鮮議事録 吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文 朝鮮議事録 朝鮮議事録への署名 「事前協議なき出撃」 事前協議制度の形骸化 第4章 沖縄返還と基地の自由使用ーー朝鮮議事録の行方 1 沖縄返還への道のり 「潜在主権」 ブルースカイ政策 ハルペリンとスナイダー 密使・若泉敬 佐藤・ジョンソン会談(1967年11月) 2 沖縄返還の対処方針 「核抜き・本土並み」 ニクソン政権下のNSC NSSM5号 NSDM13号 3 作戦使用と事前協議 愛知・ロジャーズ会談(1969年6月) 共同声明抜粋案と総理の一方的発言案 米側共同声明案 韓国・台湾・ベトナム 4 共同声明・総理の一方的発言 安保条約の原則 韓国条項 台湾条項 ベトナム条項 朝鮮議事録の存続 第5章 沖縄への核持ち込みーー一九六九年沖縄核持ち込み密約 1 沖縄返還交渉と核問題 日米の立場 第二次日本案 苦悩する佐藤首相 「会談録」 日本側最終打合せ 2 密使・若泉敬の再起用 政治的ホットライン 佐藤首相の曖昧な返答 繊維問題 スタンズ・ペーパー ホイーラー・ペーパー 3 核抜き交渉 佐藤首相案と若泉案 手続きに関する申し合わせ(シナリオ) 「核抜き」合意 4 核と繊維 合意議事録草案 草案の確定 合意議事録への署名 難航する繊維問題 軍部の説得 終 章 密約が交わされる構造と深層 密約の特徴 密約の残した影響 密約が明らかにした課題 密約の教訓 日米密約の根源 あとがき / 密約資料 / 参考資料 日米密約史 関連年表
政権中枢に近いシンクタンクの2巨頭が、米国民がトランプ大統領を支持する理由から中国に対する政策スタンス、日米同盟の未来に至るまでを国際政治アナリストと共に語り尽くす。日本に対して親和的なスタンスを持つ両者が、同盟国に寄せるメッセージ。「フレッド・フライツ氏は、大統領選が激化した2024年5月に、第二次トランプ政権の外交安全保障の指南書である『An America First Approach to U.S. National Security』を責任者として取りまとめて上梓した。同書は、第二次トランプ政権の外交安全保障政策に色濃く影響を与えている。同氏が副所長を務めるアメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)は、トランプ氏の政策課題を推進するために2021年に設立されたシンクタンクだ」(本書「はじめに」より)「スティーブ・イエーツ氏は、アメリカ第一政策研究所からヘリテージ財団に移り、同研究所で中国政策イニシアティブを立ち上げた。同イニシアティブにおいて、彼は同財団アジア研究センターの中国および国家安全保障担当シニア・フェローとして、中国共産党の悪影響を封じ込め、同盟関係を強化し再調整し、アメリカの家族、雇用、主権を最優先とする包括的な戦略を定義、強化、実行する取り組みを主導している」(同) 〈目次より〉はじめに トランプ政権中枢の考えを知る/第1章 米国で始まった「常識による革命」渡瀬裕哉/第2章 「世界はより安全な場所になっていく」フレッド・フライツ/第3章 「日米同盟をニュー・ノーマルへ」スティーブ・イエーツ/おわりに なぜ米国民はトランプを支持するのか 【PHP研究所】
「揺るぎない日米同盟」は一体どこに向かうのか? 第2次トランプ政権誕生で対日圧力がますます強まり、日米の軍事一体化が進む今こそ読みたい。 黒船来航から現在まで約170年にわたる日米関係史を、戦史・紛争史の観点から読み解く! 「日米同盟をより一層強化すれば、日本国民の安全は高まる」という日本政府が国民向けに提示する単純な図式を、我々はどこまで信じていいのか!?
■大統領の陰で動くエキスパートたち 第2期トランプ政権は、2025年からの4年間で何をするつもりなのか。同政権で国防次官を務めるエルブリッジ・A・コルビーなど“トランプの参謀たち”がめざすのは、「台湾有事の阻止」だ。日米は、台湾有事における限定核戦争や世界同時紛争リスクに備えねばならない。米国防戦略の最前線を走る識者だけが知る「戦争のシナリオ」と日本が取るべき安保政策について、米ハドソン研究所の俊英が語り尽くす。 【本書の要点】●日本にとってウクライナ戦争の最悪のシナリオは、米国が欧州で戦力を消耗し、アジアが手薄になること ●米国は対ロシアよりも対中国で核使用を迫られる可能性が高い ●台湾有事において在日米軍基地は最重要拠点、中国による核の威嚇は日本に向けられる ●中国の台湾侵攻は日米の多大な犠牲なしには阻止できない ●日本はGDP比3%水準の防衛費をめざすべき 【目次】●第1章:世界同時紛争リスクに備えよ ●第2章:台湾有事における限定核戦争リスク ●第3章:米中露「核三極体制」の時代 アンドリュー・クレピネビッチ(歴代国防長官顧問)×村野将 ●第4章:世界が見習うべき日本の国防 H・R・マクマスター(元大統領補佐官)×村野将 ●第5章:トランプ政権は中国と「戦う」のか エルブリッジ・A・コルビー(第2期トランプ政権国防次官)×村野将 ●第6章:台湾有事、最も危険なシナリオ マイケル・ベックリー(『デンジャー・ゾーン』著者)×村野将 ●終章:日本の安全保障政策をアップデートせよ 【PHP研究所】
日本の「参勤交代」「物乞い」とまで当初揶揄された日米首脳会談。 経済面での日本の台頭、米国の翳りから、貿易摩擦や安全保障問題を抱える関係、2国間を超えた国際社会でのパートナーへと変貌。 他国と比しても会談頻度は増している。 トップ同士の対話や人間関係は、何を生み、創ってきたかーー。 本書は、米国14人、日本28人の首脳による約150回に及ぶ会談を追い、70年以上にわたる日米関係を政治指導者を通して描く。 【目 次】 まえがき 序 章 首脳会談とは何かー重層的な拡がり 第1章 「参勤交代」の時代ー日米安保体制の成立 1 幕開けー吉田とトルーマン、アイゼンハワー 2 「日米新時代」と安保改定ー岸とアイゼンハワー 3 「イコール・パートナーシップ」ー 池田とケネディ、ジョンソン 4 沖縄返還と「密約」ー 佐藤とジョンソン、ニクソン 第2章 首脳会談の定例化ー冷戦と負担分担 1 大統領初来日とサミット体制ー田中・三木とニクソン、フォード 2 ガイドラインと「同盟関係」ー福田・大平・伊東・鈴木とカーター、レーガン 3 「ロン・ヤス」関係ー中曽根とレーガン 4 昭和のおわりと冷戦の黄昏ー竹下・宇野とレーガン、ブッシュ 第3章 同盟の漂流と再定義ーポスト冷戦と日米摩擦 1 「湾岸戦争のトラウマ」ー海部とブッシュ 2 通訳不要の首相ー宮澤とブッシュ、クリントン 3 北朝鮮核危機と経済摩擦ー細川・村山とクリントン 第4章 蜜月と短期政権ー「戦時の同盟」 1 アフガニスタン戦争とイラク戦争ー小泉とブッシュ 2 不安定な日本政治ー安倍・福田・麻生とブッシュ、オバマ 3 対等性の模索ー鳩山・菅・野田とオバマ 第5章 安定政権の登場ー自由で開かれた国際秩序を求めて 1 「希望の日米同盟」ー安倍とオバマ 2 揺らぐ国際秩序ー安倍とトランプ 3 「ハブ」としての日米首脳会談へー菅・岸田とバイデン 終 章 変化する首脳会談と日米同盟 あとがき 付 録 日米首脳会談一覧(1951〜2024年)
「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、 今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」 日本がいつの間にか米国のミサイル基地になっていた……政府の巧妙な 「ウソ」を気鋭のジャーナリストが見破る!現代人必読の安全保障論。 「いま、人知れず大変な事態が進行している。米軍が日本全土に対中戦争を想定した、核を搭載可能なミサイルを配備しようとしているのだ! しかも今後、日米の軍事一体化が「核共有」まで進めば、米軍は密約により、その核ミサイルを自衛隊に発射させることも可能になる。この未曾有の難局に、私たち日本人はいったいどう対処すればよいのか? 第一人者布施祐仁による驚愕のレポートと提言に、ぜひ耳を傾けてほしい」 ーー矢部宏治氏(『知ってはいけない』) 「布施祐仁は、戦後日本の対米従属の戦慄すべき帰結を容赦なく暴き出している。世界の火薬庫と化しつつある東アジアで、我々は戦争屋のお先棒担ぎになるのか、それとも平和の架け橋となるのか、決断の時はいまである」 ーー白井聡氏(『永続敗戦論』) ● 「台湾有事」をシミュレーション 日本への影響は? ● 日本にミサイルが配備される可能性 ● 自衛隊が「米軍の一部」に…「非対称」な軍事関係 ● 広がる米中間の溝 核軍拡競争の時代に逆戻りか ● 政府による巧妙な嘘…「核持ち込み密約」の真実 ● 「日本有事」を防ぐためにーー日本がとるべきミサイル・核政策とは? 「戦後安全保障政策の大転換」 その正体は、終わりなき軍備拡張と米国への従属だったーー 現代を「新しい戦前」にしないために 【目次】 はじめに 第1章 南西の壁 第2章 中距離ミサイルがもたらす危機 第3章 米軍指揮下に組み込まれる自衛隊 第4章 日本に核が配備される可能性 第5章 日米同盟と核の歴史 第6章 米中避戦の道 おわりに 主要参考文献
本書は「大東亜戦争」を、日本史や日米関係史の視座、あるいはアメリカ政府の視座である「太平洋史観」から解放し、さらには戦前の日本が戦争の肯定を試みた「大東亜戦争史観」からも解放して、国際史の視点から再検討する試みである。例えば中西寛氏は1890年を20世紀の起点に置く歴史観を提唱し、大木毅氏は当初日本よりも中国との関係を重視していたドイツが日本と手を結んだ経緯を綴る。重層的な視点から「複合戦争」の全体像を俯瞰する。 ●細谷雄一[五一年戦争史観] ●中西寛[20世紀史のなかの第二次世界大戦] ●松浦正孝[日本にとって大東亜戦争とは] ●森山優[日米開戦という選択] ●村田晃嗣[ローズヴェルトの世界戦略] ●アントニー・ベスト[イギリスの対日観] ●家近亮子[蒋介石の外交戦略] ●大木毅[ドイツの「転換」] ●花田智之[スターリンの対日戦略] ●宮下雄一郎[ド・ゴールの闘い] ●加藤聖文[戦後の東アジア] ●小谷賢[日米英のインテリジェンス] ●リチャード・オヴァリー[民主主義の「勝利」と限界] ●板橋拓己[ファシズムの浸透と競合] ●森田吉彦[知識人たちの闘い] 【PHP研究所】
なぜ日本では米軍による犯罪・事件を裁くことが難しいのか。なぜ騒音被害や環境汚染を止められないのか。なぜ基地のそばで暮らしているというだけで数多くの悩みを抱えねばならないのかー積み重なる「なぜ」の原因は日米地位協定にある。「国の専管事項」である安全保障が私たちの日常を脅かす。その実態と原因に迫る。
中国の台頭、アメリカの後退、そしてロシアの暴走。国際環境は厳しさを増し、日本が安全保障で果たすべき責任は重くなっている。しかし日本では憲法をはじめ、一度でき上がった独特な仕組みをなかなか変えられない。危機の時代にふさわしい防衛の姿とは。日米安保条約、憲法第9条、防衛大綱、ガイドライン、NSC(国家安全保障会議)という重要トピックの知られざる歴史をたどり、日本の安全保障の「常識」を問い直す。
高橋是清、新渡戸稲造、金子堅太郎、團琢磨、小村寿太郎、秋山真之ーー明治の「日米同盟」をつくった男たちの秘史に迫る 明治日本といえば、憲法を学んだドイツや日英同盟を結んだイギリスなど欧州に光が当たることが多い。 だが、日本の運命を決定したのは日米関係であり、その集大成が、日露戦争であったと著者は主張する。 開国直後に密航など危険を犯して渡米した第一世代。 同志社をつくった新島襄、のちに日本の財政を一手になう高橋是清、初代日銀総裁として金融機関の整備にあたった吉原重俊などをとり上げる。 学費が安いことから次々と優秀な若者が派遣された第二世代。 当時最先端だったロースクールを選んだ二人の青年。同じ下宿先からハーバード大に通った小村寿太郎と金子堅太郎は、ともにポーツマス条約締結のため活躍する。イエール大で学び、のちにアメリカで教職についた朝河貫一は、ポーツマス条約におけるロシアとの講和案作成に関与、マサチューセッツ工科大で冶金学を学んだ團琢磨は、卒業生を巻き込んだ親日世論工作を行う。 日露戦争で日本海軍を指揮した秋山真之もまた、アメリカ留学生の一人だった。 日露戦争終戦後、両国関係は悪化、留学生たちの運命も変わっていく。長命だった金子は反米主義者に、日米親善に尽力した團は血盟団によって暗殺された。日本の国際的孤立を決定づけた外相・松岡洋右(オレゴン大)、は、誰よりもアメリカを知ると豪語するが、最も大きく読み間違えた。 そして、運命の真珠湾攻撃の総指揮を執ったのは、ハーバード留学生の山本五十六であったーー 丁寧な現地取材から浮かび上がる日米関係秘史。
昭和16年(1941)12月8日、日本が真珠湾攻撃に至る道筋には、いくつもの要因があった。泥沼化する日中戦争、さらにドイツのポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発は、日米両国を欧州情勢に巻き込むかたちで、対立を激化させた。そして下された南雲機動部隊によるハワイ・オアフ島の真珠湾攻撃という決断。日本海軍の機動部隊6隻の空母より発艦した350機が航空攻撃を行ない、アメリカ太平洋艦隊の主力に甚大な被害を与えたのである。その博打にも等しい作戦と戦果は世界を震撼させた──。多様な視点から日米開戦の実相を浮かび上がらせる。 【PHP研究所】
なぜ、日本は戦争へと突き進んだのか 陸軍は無策で無謀な日米戦争に突き進んだーー。 この見方を著者は否定する。陸軍は昭和に入ると変質し、一夕会・統制派が実権を握る。 彼らは第一次世界大戦後、次なる世界大戦が予想されるなか、それにともなう国家戦略を有していた。 しかし、それは刻一刻と変化する国際情勢に対応するなかで変容・転換を余儀なくされ、 徐々に日本の選択肢が狭まり、日米開戦に至った。 本書は、昭和戦前期の七つの事件や事例を取り上げ、その背後にある陸軍の思想・戦略を検討することで、 日米開戦に至る道筋を明らかにするものである。 みえてきたのは、今も変わらぬ地政学的条件に縛られた日本の姿であり、抗えない宿命ともいえるものだった。 (以下、目次) 第一章柳条湖事件ーー永田鉄山の戦略構想と一夕会 第二章五・一五事件ーー事前に計画を知っていた陸軍中央 第三章二・二六事件ーー昭和陸軍を動かした統制派の伸張 第四章盧溝橋事件ーー日中戦争は太平洋戦争の引き金ではない 第五章 「時局処理要綱」の策定ーー欧州大戦と武藤章の戦略構想 第六章日独伊三国同盟ーー対米戦争は望まず、されど…… 第七章南部仏印進駐ーー日米開戦の原因は関特演だった 終章聖断ーー昭和陸軍の終焉と日本の限界 第一章 柳条湖事件ーー永田鉄山の戦略構想と一夕会 第二章 五・一五事件ーー事前に計画を知っていた陸軍中央 第三章 二・二六事件ーー昭和陸軍を動かした統制派の伸張 第四章 盧溝橋事件ーー日中戦争は太平洋戦争の引き金ではない 第五章 「時局処理要綱」の策定ーー欧州大戦と武藤章の戦略構想 第六章 日独伊三国同盟ーー対米戦争は望まず、されど…… 第七章 南部仏印進駐ーー日米開戦の原因は関特演だった 終 章 聖断ーー昭和陸軍の終焉と日本の限界
◆「戦後日本の統治機構を何とかまともなものにしよう、敗戦国民を何とかして絶望や自己卑下から救い出そうと努力した無名の先人たちがいた」内田樹氏(思想家)◆支配・従属関係の根源! 地位協定の全条項を見ることで初めてわかる、ニッポンのヒミツ。米軍の日本駐留に際し、日本の法令が適用されない場合の特権と免除の内容、範囲を定め1960年に締結された日米地位協定。本書は協定の全条文を解説し問題点を明確にする。また、1952年に合意された地位協定の前身の「行政協定」、1959年の日米両政府交渉で示された「行政協定改訂問題点」を比較し論じる。地位協定全条項と関連文書を概観することで、第二次世界大戦敗戦後、日本政府は主権国家扱いされる協定にするため如何に考え、交渉を行い、その目標はどの程度実現され、されなかったのかを一覧する。地位協定問題を考える上で必携の一冊。
昭和史の貴重な記録を読み解く。日本が太平洋戦争に突入していく重要な時期に国政を担った、第二次・第三次近衛文麿内閣。その内閣書記官長を務めた富田健治によって、戦後に書かれたのが『敗戦日本の内側ーー近衛公の思い出』である。そこには、近衛らが緊迫する国内外の情勢にいかに対応したかが、当事者しか知りえない舞台裏と共に、息づかいまで感じられる筆致で綴られている。解説は、昭和史研究の第一人者である川田稔名古屋大学名誉教授。会話などからも歴史的価値を見出し、読み解いていく。はたして、日米開戦は不可避だったのか、それともーー。
米日の支配・従属関係の原型は、太平洋戦争の勝者と敗者との上下・優劣関係のなかで形成された。米国主導のこの「日米非対称システム」が生んだ天皇制温存、新憲法、旧・新安保条約が戦後日本にとって何を意味するかを分析。米国優位を許す弱者日本独自の理由を考察する。また冷戦後の安保条約変容を検証。中国台頭・米国後退のなか、政治的自立を欠く日本を厳しく見据える視点から、相応の軍事的負担を担いつつ民主主義を確たるものにするため、いま日本国民が何をすべきかを問う。