ポワロやミス・マープルを生みだし、今も愛されつづける作家クリスティ。その作品には、古き良きイギリスとともに、移りゆく二〇世紀のイギリスが巧みに描き込まれている。カントリー・ハウスの住人たち、多様化するレジャー、使用人と階級文化、女性たちの生き方……。「ミステリの女王」の眼がとらえたイギリスの今と昔。 序 章 移りゆくイギリス、過ぎ去らぬイギリスを映し出すーーアガサ・クリスティの世界 探偵小説作家の誕生 イギリスの探偵小説の誕生 探偵小説の黄金時代 クリスティの生涯 クリスティの作品 第1章 あらたな生き方が始まるーーカントリーサイドの変貌 『スタイルズ荘の怪事件』 探偵小説の舞台としてのカントリー・ハウス カントリー・ハウスの新しい所有者たち 伝統的なカントリー・ハウス?--チムニーズ 『ナイルに死す』 カントリー・ハウスを手放した人々 『ホロウ荘』 モダンなカントリー・ハウス 第2章 変わりゆく娯楽とレジャー 外国旅行のブーム ツアー旅行の誕生 トマス・クック エジプト旅行 海水浴の人気 日光浴の効用 『太陽の下の邪悪』 ワーキング・クラスのホリデイ・キャンプ 海外のパック旅行 空の旅 バス・ツアー 第3章 「モダン」から「戦後」へ 新しい流行 ブライト・ヤング・ピープル 第一次世界大戦とシェルショック 戦後を生きる人々 戦後の社会 若者の非行 戦後の住宅事情 イギリスの団地 ロウワー・ミドル・クラスの語り手 戦後文化の表象 第4章 使用人も黙っちゃいない 「使用人問題」 「典型的」な執事 メイドの描かれ方 戦後の使用人 掃除をする女性 外国からのお手伝いーーオーペア 新しいタイプの「ハウスキーパー」 完璧なハウスキーパー ポワロの使用人 第5章 エルキュール・ポワロとミス・マープル なぜポワロはベルギー人なのか? 外国人のステレオタイプ ユダヤ人のイメージ エキゾチックな外国人 ミス・マープルとアマチュア探偵たち 村の探偵 アマチュアの女性探偵 戦後の女性 第6章 歩みを続けるクリスティ作品ーー映像化に見られる現代のイギリス社会 クリスティの作品の翻案 初期のクリスティ映画 初期のミス・マープル映画 スターが演じるポワロ映画 テレビドラマ 原作とのずれ 同性愛の表象 人種の表象 刑事ドラマの人気 あとがき 主要引用文献
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インターネットを使った選挙運動が解禁されてから10年余り、有権者が候補者の情報を得る手段としてSNSやYouTubeなどの重要度が年々高まっている。しかし、ネットは簡単に情報を拡散できることもあり、偽情報が広がりやすい。さらに今後はAIの活用も進んでいき、やがて政策決定に大きな影響を与えることが予想される。 選挙、そして民主主義に多大な影響を与えるSNSやAIをどう扱うべきか。ネットと選挙の健全な在り方を提示する。
死の床に就いた桓武天皇.安定した皇位継承を願う彼の“遺言”は,歴史を大きく動かした.ポスト桓武の時代,血なまぐさい事件が起こるなか,藤原北家は幸運を引きつけ,類い稀な才覚と政治的嗅覚を持つ者たちが,天皇家との関係を深めてゆく.藤原道長「望月の歌」をさかのぼること一五〇年,藤原摂関家はこうして生まれた.
ペリー来航から明治維新まで、この15年を彩るさまざまな物語は、志士をはじめとする武家を主人公として描かれることが多い。 一方、公家たちは歴史のうねりに翻弄される優柔不断な脇役として描かれてきた。 しかし、公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。 天皇復権のため、志士たちを煽り、大名を相手に種々の交渉を重ねたのは有名無名の公家たちである。 日本史の画期で奔走した彼らの奮闘に迫る。 ■□■目次■□■ 序章 朝廷のしくみ 第1章 政治に関与する公家たち 1853〜58年 第2章 公武合体の季節 1859〜61年 第3章 京都の政局 1861〜62年 第4章 攘夷をめぐる激闘 1863〜64年 第5章 朝廷の内と外 1865〜66年 第6章 王政復古への道程 1867年 第7章 維新の功労ー公家華族の誕生 1868〜91年 終章 公家にとっての維新
金属なくして、生命の誕生も進化もありえなかった! 体内に1%以下しか存在しない微量元素の驚異のはたらきと機能を解き明かす!
一五二五年,宗教改革の渦中,幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した.異端として迫害されながらも聖書の教えを守り,非暴力を貫いた彼らの信仰は,戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか.メノナイト,アーミッシュ,良心的兵役拒否,被爆者の日米交流まで,五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る.
江戸時代の女性名は現代とどう違ったのか?「お」の付く女性名はどこに消えたのか? 近代女性名の「子」とは何か? 何が今日の「夫婦別姓」論争を生み出したのか? アイデンティティとして名前に執着する現代の常識は、どのように生まれたのか?ーー男性名とは別物だった江戸時代の女性名が、明治期に男女共通の「氏名」となって現代の諸問題を抱えるまで、近代国民国家の形成、文字の読み書きや捺印、戦後改革など様々な事象を通して、日本人名文化の歴史的変遷を明らかにする。
世界でも珍しい新たな火山島の出現は、島を知り地球を知る研究材料の宝庫。小笠原諸島で2013年、旧西之島沖の噴火によりできた島はどんどん大きくなり、旧西之島をのみこみ成長中であることがニュース映像などで紹介された。島ができていく過程を見られる貴重な場所として、様々な分野の研究者からも注目されている。本書では、西之島をはじめ多くの島の上陸調査も行ってきた著者が、できたての島でなくては見ることのできないこと、そこからわかる地球のダイナミズム、今後西之島はどのように変化していく可能性があるのか、などを解説する。また、西之島以外の国内外の特徴的な島について噴火や成長の過程での地質現象についても紹介する。 前半では島の誕生から成長までにどういう現象が起こっているのかを中心に、後半では島の成熟から崩壊などの過程を中心にさまざまな島の事例をあげながら話を進めていく。
謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!? 2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラフ」の報告。 それはある重力波の存在を捉えたというものでした。 発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の、超長波長の重力波でした。 この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というものです。 電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」です。 では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか? ・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」。 ・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した。 といった候補が考えられています。 これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。 その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめました。 本書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か? アインシュタイン方程式とは? そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか? ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラフ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画。そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていきます。 宇宙の誕生に迫る宇宙論と観測の最前線をていねいに解説します! 序章 ナノヘルツ重力波の衝撃 謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ 1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波 2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目 3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星 コラム 重力波に縦波成分は存在するのか? 4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波 5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る コラム 「特異点定理」の数理 6章 超波長重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎 7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙 8章 宇宙のはじまりを見る……超長波重力波の正体と未来の宇宙観測
地球の大陸は謎だらけ。そもそも地球にはなぜ大陸があるのか? そんなことすらわかっていなかった! 【海の惑星? いやいや、大陸の惑星】 地球の大きな特徴として「海」が挙げられる。地球表面の多くの部分を液体の水が覆っている。カラカラに渇いているお隣の惑星(火星や金星)とは大違いだ。 逆に見れば、地球には海に覆われていない場所(陸)がある。じつは、岩石学的には、この「陸」こそが地球の特徴である。 地球表面を構成する岩石は、海洋底と陸で明確に異なる。火星や金星の表面を覆う岩石は、地球の海洋底の岩石と同じ「玄武岩」。地球の陸地を構成する「安山岩」は、火星や金星には存在しない。ほかの惑星には存在しない安山岩に、地球表面の3割が覆われている。 地球にはなぜ安山岩があるのかーー? これが、本書が挑む最大の謎である。 【マグマをめぐる冒険】 地表の岩石はすべて、マグマが冷え固まったもの(火成岩と総称される)。マグマの大部分は、地下の岩石(マントル)が溶けたもの。したがって問うべきことは、「安山岩をつくるマグマはマントルでどのようにして生じるのか?」となる。 火成岩研究をライフワークとする岩石学者の「マグマをめぐる冒険」へご招待! わたしたちの大陸についての知識が大幅にアップデートされること間違いなし。 【おもな内容】 序章 岩石学者なのに“海の研究所”に入ってみた 第1章 大陸とは何だろう?:地球の層構造を知ろう 第2章 地殻の材料はどうやって生まれる?:マグマの生成条件を知ろう 第3章 大陸地殻の材料はどこでできる?:安山岩マグマの生成条件を知ろう 第4章 西之島は大陸の卵か?:大陸生成モデルを検証しよう 第5章 最初の大陸はいつできたのか?:40億年の歴史を復元しよう 終章 岩石学者が大陸と生命の起源を考えてみた
宇宙の驚きの理論を体感しよう! 宇宙物理学者、それは答えのない謎に挑み続ける探求者である。 「宇宙の外側はどうなっているのか?」 「宇宙の誕生は偶然か、必然か?」 「宇宙が誕生する前の世界は?」 難問に悩むと止まらなくなるのが物理学者の性分だ。 宇宙にまつわる驚きの理論はもちろんのこと、 深い考察にもぐる彼らのユニークな日常、 そして科学的なものの見方まで、異色の思考法を大公開! ユーモアたっぷり、だけどとことん真面目な科学教養エッセイ。 担当編集者から 「物理学者はこんなふうに考えるのか!」 「宇宙理論はこんなことになっているのか!」と驚きにあふれた一冊です。 今回は、ご退職をいいことに思う存分やりたい放題書いていただきました。 ・目次 ●序 今ここにある宇宙とぼくの起源について [第1部]物理学者、この不思議な生き物 人生で大切なことはすべて相対論から学んだ 大学教授をめぐる三つの誤解 物理学者は所構わず数式を書きなぐるか? [第2部]正解のない宇宙の謎を考える この宇宙は偶然か、必然か 「宇宙は点から始まった」の真偽 アインシュタインと歴史のいたずら 宇宙の5W1Hーーいつどこで誰が何をなぜどうやって [第3部]物理学者は世界をどう眺めているのか? 世界の退屈さをなくす「対称性の自発的破れ」 物理学者は世界をどう眺めているのか? 人生に悩んだらモンティ・ホール問題に学べ 日常から始める科学的思考法のレッスン [第4部]常識を超える真面目な宇宙論 この宇宙のはるか先どこかに並行宇宙はあるのか? 宇宙に思考が誕生する確率 この私に自由意志があると信じる(信じたい)理由
現代にも通じる歴史書と評価される司馬遷『史記』だが、執筆には、それより前に記録され、伝えられたものの蓄積がある。当然のことながら、文字がなくてはならないし、竹簡などの記録メディアが必要。さらに、それがいつの出来事かを記述するためには、国王の治世や暦等を根拠にした年号もあるほうがいい。正史は権力者の歴史認識と思想を汲むため編者は命懸けだが、すでに古代中国においても過去の事象からいまの問題を見出す態度の萌芽が見られる。出土史料を繙きながら、『史記』に結実する記録への執念や歴史観の興りをたどる。
平安遷都に始まる200年は激変の時代だった。律令国家は大きな政府から小さな政府へと変わったが、国家は豊かになった。その富はどこへ行ったのか。奈良時代の宮廷を支えた女官たちはどこへ行ったのか。新しく生まれた摂関家とは何か。桓武天皇、在原業平、菅原道真、藤原基経ら個性的メンバー、斎宮女御、中宮定子、紫式部ら綺羅星の如き女性が織り成すドラマとは?「この国のかたち」を決めた平安前期の全てが明かされる。
イエ、家族、ホーム、ファミリーなど、多くの名が生まれた理由は、その言葉を用いないと表現できない現象や思いがあったためだ。「家庭」には、リベラル、保守、それぞれの理想が託されてきたが、一方でその理想と現実には様々な乖離があった。明治から昭和、平成、現代まで、それらをめぐる錯綜した議論をときほぐしていくことで、近現代日本の新たな一面に光をあてる。
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 40億年にわたる生命の進化史を綴る全3巻にわたる好調企画の三冊目、新生代編です。白亜紀末の大量絶滅により恐竜がいなくなった後に繁栄した哺乳類の多様化と進化を中心に、さまざまな分類群の特徴的な種を取り上げながら、豊富な化石写真と復元画とともに解説していきます。 本書では、三つの時代を、哺乳類をはじめとした様々なグループ、約100種の生き物を紹介しながら概観していきます。 第1章は、古第三紀、恐竜絶滅後の世界です。恐竜の生き残りである鳥類、急速にニッチを獲得し多様化した哺乳類の時代です。第2章は新第三紀、現在の哺乳類の祖先となる動物たちが現れ繁栄した時代です。人類の祖先が登場したのもこの頃です。第3章は、第四紀、氷河時代です。氷河時代から現在までつながる時代区分のなかで、気候変動による生物の進化と絶滅を見ていきます。 目次 第1章 始まりの時代 古第三紀 第2章 冷えていく時代 新第三紀 第3章 氷河とともにある時代 第四紀 著者紹介 土屋 健 オフィス・ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『機能獲得の進化史』(みすず書房)、『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)、『恋する化石 「男」と「女」の古生物学』(ブックマン社)など多数。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
今からちょうど千三百年前、『古事記』が誕生した。令の制定や平城京遷都など、古代日本の急速な近代化が進められるなかで、なぜこのような「時代に遅れた書」が作られたのか。縄文・弥生時代に遡る神話が、国家成立期にまで生き残ったのはなぜか。「記序」贋作説を検証しながら分析する。さらに、アメノイワヤト神話を例に、歌垣、酔っぱらい体質、銅鏡と鉄鏡の違いなど、多様な視点から新旧の層に区分けして解読する。
階級を生んだ松方デフレ、白熱のアナ・ボル論争、知識人の「転向」。日本左翼の原点とはなんだったのか。社会運動の源流を探る“戦前編”。